[カナダ]登録制障害積立基金利用低調

カナダの登録制障害積立基金(RDSP:Registered Disability Savings Plan)は、障害者の貯蓄を政府が支援する制度で、障害者が将来貧困になることを予防することを目的にしており、2008年12月1日に始まりました。カナダ政府は、世界初であるとして宣伝してきましたが、その利用は低調のようで、昨年から今年にかけて、制度を利用しやすいように変更したり、インターネットを通じた普及ビデオを流すなど利用を促すとりくみが行われています。
登録制障害積立基金制度は、重度障害者が、銀行などに登録制障害積立基金の口座を開設すると、世帯の所得が低い場合は、積立金の3倍の助成金や年間1,000カナダドルが政府からその口座に支払われたりするというものです。ただし、口座開設後10年間は引き出してしまうとそれらの助成金は返還しなければなりません。
この口座は、投資信託のようなもので、開設時にハイリスク・ハイリターンのタイプを選ぶと運用成績によってはさらに積立額が増えていくことになります。
ただし、対象となるのは、障害タックスクレジット(Disability Tax Credit)という税金免除証明を受けている60歳以下の障害者です。
約15万人が制度を利用しているとのことですが、制度利用可能者全体からみると29%に過ぎないとのことです。
この制度は、親亡き後の重度障害者の生活安定のために活用されることを想定しているようです。
制度の詳しい内容は、カナダ政府のサイト(https://www.canada.ca/en/revenue-agency/services/tax/individuals/topics/registered-disability-savings-plan-rdsp.html)、RDSPのサイト(http://www.rdsp.com/)で知ることができます。

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