快適生活・暮らしのヒント-料理1便利グッズ

「新ノーマライゼーション」2019年11月号

横浜市総合リハビリテーションセンター機能訓練課 作業療法士
西則彦(にしのりひこ)

障害があっても料理(調理)を介助者の手によらず、自らされている方も多いと思います。ある人は、それを一つの楽しみとして、またある人は、お腹を満たすために仕方なく、料理をしているかもしれません。

今回このコーナーでは、障害がある方にとって、便利になるかもしれないグッズを3点ご紹介します。万人に有効なものはなかなかありませんが、もし気になるものがあったら、ぜひ試してみてください。

1 釘つきまな板

まな板に釘がついていて、この釘に野菜や肉などを固定します。野菜や肉がしっかりと固定されることで、片麻痺の方や手の動きや筋力が不十分な方などが包丁やピーラーを使うのを助けてくれます。写真にあるような市販の製品がおすすめですが、手作りをしても構いません。使う際や洗う際には、釘で手をけがしないように気をつけてください。
※掲載者注:写真の著作権等の関係で写真はウェブには掲載しておりません。

2 L字型やいろんな持ち手の包丁

これらの包丁は、持ち手の形状に工夫があります。握りやすい太さをしていたり、力を入れやすいよう特別な角度に設定されていたりとそれぞれ特徴があります。握る力が弱い方や関節に痛みが起こりやすい方にはこれらは便利である可能性がありますが、必ずご自身の手の状態にあったものであることが重要です。もし、どこかで見て触れる場所があったら試してください。その際は、必ず自分が立ってやるのか座ってやるのか、テーブルの高さはどれぐらいかなど、実際に行う環境をイメージしながら試してみましょう。

3 計量器

調味料を計量する時は、片手に計量スプーンを持ち、もう片手でしょうゆなどを注ぐ方法が一般的です。しかし、片麻痺などでその方法が取りにくい場合もあります。そういったやりにくさを解決するのが、このスプーンです。なんと机の上に置いたまま計量できるのです。こうすることで、片側の手だけでできたり、または両手でボトルを持てたりと、落ち着いて計量をすることができます。これもいくつかの会社の製品がありますので、ネット等で比べてみてください。

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