快適生活・暮らしのヒント-料理2調理の手順や方法の工夫

「新ノーマライゼーション」2019年12月号

横浜市総合リハビリテーションセンター機能訓練課
作業療法士
西則彦(にしのりひこ)

前号では料理(調理)をする時に便利な道具の紹介を中心に行いましたが、今回はそれに引き続いて第2弾として、調理の手順や方法などを工夫することをお伝えします。道具だけではなく、こうしたちょっとした工夫で調理が楽になったり、楽しくなったりするかもしれません。

これから紹介する方法は、その工夫の一例です。“調理とはこういうもの”という既成概念を少しわきに置いて、方法の一つとしてとらえてみてください。

工夫1 調理の手順を入れ替える~加熱してから切ってみよう!!~

皆さんはスーパーなどで買ってきた肉を一口サイズにして食べたい時、どういう手順で調理しますか?

多くの方が、肉をある程度細かく切ってからフライパンで焼くと思います。しかし、この生の肉を切るという作業は、実はかなり手の細かな動きや力が必要になります。もちろん初めから細かく切ってある“細切れ肉”を買うのも一つの方法ですが、それができない場合、とっておきの方法があります。それは肉をフライパンの上で焼き、その後ある程度加熱したところで、キッチンバサミで切るのです。加熱してある肉は、生の状態よりも簡単に切れます。そのほか、かぼちゃのような硬い野菜を切る時に、電子レンジで加熱してから切るのも有効です。

工夫2 方法を一部簡略化する~賢く手抜きしよう!!~

カット済み野菜や冷凍食品も活用してみましょう。洗う、切るが省略できるからです。それと同じ発想で、ある部分だけをヘルパーにやっておいてもらうのも良いですね。方法の省略という点では、他にパスタをなべでゆでずに、電子レンジでチンするなどの方法もあります。最近は、炊飯器を利用した調理法も多く紹介されています。洗い物が少なくなることもありますので、ぜひ一度ご検討ください。

いかがでしたでしょうか。上記の方法以外にも多くの“技”や“工夫”があるかと思います。ぜひ仲間に聞いてみたり、インターネットで調べたりしながら、ご自分にあった適切な方法を探し出していってください。

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