[カナダ]障害者権利条約第12条に規定する障害者の権利についての論文

リハ協ブログ2014年3月1日より転載

マクギル大学法学部(Faculty of Law, McGill University,)のNicholas Caivano氏は、その論文で、障害者権利条約第12条からみた国内法のあり方について論じています。同条は、「障害者が生活のあらゆる側面において他の者との平等を基礎として法的能力を享有すること」と定めていますが、この規定があいまいなため、後見制度など障害者の権利を制限する国内法をどのように取り扱えばよいかについて検討するというのが論文のテーマです。国内法としてカナダのオンタリオ州代理決定法、サスカッチワン州成年後見共同決定法、マニトバ州精神障害弱者法などの国内法を使って検証しています。

結論としては、つぎのようにまとめています。すなわち、障害者権利条約第12条は、すべての障害者が法的能力を有していることを前提としており、障害者が支援を得ながら自ら意思決定をすることが基本であり、代理による意思決定はごくまれな場合にのみ許される。そのため、国内法は、障害者が支援を得ながら意思決定をできるように改めていくべきであるというものです。

この論文は、下のURLからダウンロードできます。(寺島)

http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2389047

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