[米国]自殺を報道する場合の留意点

リハ協ブログ2014年3月25日より転載

国立精神保健研究所(National Institute of Mental Health:NIMH)は、自殺を報道する際の留意点についてまとめています。

米国では年間におよそ38,000人が自殺によって死亡します。その数は殺人で命を落とす人以上です。自殺は悲劇的ですが、本当は公衆衛生の問題です。ところが、マスコミなどでは、自殺をセンセーショナルに取り上げることが多く、それが状況をさらに悪化させることになります。しかし、自殺を正しく報道すれば、逆に人々の意識を変えることができ、弱い人々や危機にある人々を助けることに役立ちます。

NIMHのサイトには、自殺を報道する際の留意点(Recommendations for Reporting Suicide)というページがあります。そこには、次のような内容が書かれています。

  • 大きな見出しをつけて扇情的に報道するのではなく、必要最小限の記事にする。例:「○○さんがショットガンを使って自殺」ではなく「○○さんが27歳で亡くなりました。」とする。
  • 自殺場所、悲しんでいる家族、葬儀の写真やビデオを使うのではなく、学校、職場、家族の写真を使たり、自殺ホットラインのロゴや電話番号を示す。
  • 自殺が「流行している」とか「激増している」等の強い用語を使わずに、統計データを示して、「自殺が増加している」とか「自殺率が高くなっている」というような扇情的でない用語を使用する。

 このサイトのURLは、下のとおりです。(寺島)

http://www.nimh.nih.gov/health/topics/suicide-prevention/recommendations-for-reporting-on-suicide.shtml

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