快適生活・暮らしのヒント-音を光や振動に代えて工夫しています!

「新ノーマライゼーション」2020年6月号

一般財団法人全日本ろうあ連盟
唯藤節子(ただふじせつこ)

私は生まれつき聞こえません。音の情報が多い暮らしの中では、聞こえていたら便利だなと思うことがたくさんあります。

いくつか工夫していることをご紹介したいと思います。

【キッチンタイマー】

調理をする時に、キッチンタイマーを使うことがよくあります。私が使っているキッチンタイマーは、タイマーの時間をカメラのフラッシュのように点滅して知らせてくれます。このキッチンタイマーを見つける前は、時間になるまでじっとタイマーの数字を見ていました。その間は他の作業ができません。うっかりして時間が過ぎていたことが度々ありました。この光で時間を知らせてくれるキッチンタイマーはとても重宝しています。調理がとても楽になりました。

【換気扇】

換気扇の回ってる音が聞こえにくいのでよく消し忘れます。羽根が見える古いタイプの換気扇だと止まってるかどうか分かるのですが、最新の換気扇はおしゃれになり、羽根が全く見えません。以前は壁を触ると振動で確認できましたが、換気扇を現在のタイプに変えたら振動が伝わりにくくなり、それもできません。冬は風を感じるので、それで気づくことができますが、なかなか難しいです。また、光などで確認できる機器もありません。そこで考えたことは、換気扇のスイッチを入れた時にレンジフードについている照明を一緒につけることにして消し忘れがないように工夫しています。

【携帯電話】

聞こえない私たちはメールで連絡を取ります。ショートメールで文字を送って連絡できる機能ができた時は、それまで連絡手段がFAXしかなく、一歩外に出ると連絡できず、特に待ち合わせではとても不便な思いをしていたので、便利なものができてとてもうれしかったことを覚えています。携帯電話は今では生活になくてはならないものになりました。

携帯電話は私たちにとって大事なものですが、紛失したり、どこかに置き忘れたりすると見つけるのがとても大変です。家の中で携帯を探す時は自分の携帯に電話をしてもらって探しますね。私たちは、音でなく、バイブで受けたりしていますので、探す時は床に這いつくばって、床やテーブルなど、振動をたよりに探します。その姿はまるでコンタクトレンズを探してるようで笑ってしまいます。

いかがでしょうか。他にもいくつか音の代わりに振動や光などで感知する方法で工夫しているものもあります。皆さんも聞こえない人はこんな時どうするのだろうか?という気づきをちょっとしていただければうれしいと思います。

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