[オーストラリア]障害者などを対象にした災害準備のためのツールキットを開発

リハ協ブログ2018年10月20日より転載

シドニー大学とニュー・サウス・ウェールズ州救急サービス局等が協力して、障害者の自然災害への対応能力を高めるための新しいツールキットを公表しました。

このツールキットの特徴は、障害・保健サービスのスタッフが、利用者と一緒に活用することを前提にしていることです。例えば、在宅の障害者に対して、ヘルパーがこのツールキットを使って、山火事の場合に、家から逃げられるだろうか、とか、水害で孤立したときに1週間分くらいの食料は準備できているだろうかというようなことを聞き取って、災害時に備えて準備するというような使い方をします。

ツールキットの名称は「人間中心の災害準備ツールキット(Person-Centred Emergency Preparedness toolkit)」で、だれも取り残さないという政策の実現のために、ニュー・サウス・ウェールズ政府の地域反発力・革新プログラム(Community Resilience and Innovation Program)から19万ドルを得て作成されたとのことで、サービス提供事業者や障害者によるフィールドテストも行われたそうです。

ツールキットは、ビデオとマニュアルから構成されており、わが国でも参考になりそうです。

興味深いのは、このプロジェクトリーダーのビレヌーヴ博士(Dr. Villeneuve)は、2011年の東日本大震災で障害者の死亡率が一般の4倍であったという報告に触発されたと語っているところです。

ツールキットは、シドニー大学の下のサイトでアクセスできます。(寺島)

http://sydney.edu.au/health-sciences/cdrp/projects/UOS_PrepareNSW_user_guide_FINAL_v2.pdf

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