[WHO]毒蛇咬傷の予防と管理のための新しい戦略の詳細を発表

世界保健機関(WHO)は、2019年5月6日、毒蛇咬傷(Snakebite envenoming)の予防と管理のための新しい戦略の詳細を発表しました。

WHOによれば、世界では、毎年約540万人が毒ヘビに噛まれ、180万から270万人がヘビ毒の被害を受け、81,000人から138,000人が命を失い、40万人が四肢の切断や腎不全などの障害をもつにいたるとのことです。ほとんどは、アフリカ、アジア、ラテン・アメリカの低所得国や中所得国の貧しい農村地域に暮らす女性、子ども、農民に発生しており、アジアでは、毎年200万人がヘビ毒の被害を受けています。

ところが、ヘビに噛まれることが日常化している国々では、それを報告されることが少なく、毒蛇咬傷は、「顧みられない熱帯病」と呼ばれています。

抗毒素製剤が有効ですが、統計的なデータも満足にないことから、各国では十分な対応がされず、結果的に抗毒素製剤需要が低いために、過去20年の間に製造業者が生産を中止し、いくつかの抗毒素製剤の価格が急激に上昇し、貧しい人々は購入できない、偽薬が市場に出回るというような事態になっているとのことです。

今回の戦略では、安全かつ効果的な治療の確保、住民のエンパワメント、医療体制の強化、関連機関との協力などを掲げ、2030年までに、死亡と障害を50%減らすことを目標にしています。

詳しいことは、下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.who.int/news-room/detail/06-05-2019-snakebite-who-targets-50-reduction-in-deaths-and-disabilities

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