[オーストラリア]NDISのサービス提供事業者の財政状況に関するレポート

瑛は協ブログ2019年2月22日より転載

2019年2月、「社会的影響センター(Centre for Social Impact:CSI))は、年次市場調査(National Disability Services’ Annual Market Survey)を検証し、全国障害保険制度(National Disability Insurance Scheme:NDIS)のサービス提供事業者の財政状況を分析した報告書を公表しました。

報告書のタイトルは、「障害分野はどのようにやっているか?年次市場調査からの報告(HOW IS THE DISABILITY SECTOR FARING? A report from National Disability Services’ Annual Market Survey)」です。

CSIは、ニューサウスウェールズ大学シドニー校、ウェスタンオーストラリア大学、スウィンバーン工業大学が共同で設立した組織です。

NDISは、重度障害者のためのパーソナルアシスタントの制度で、2013年から段階的に導入されました。個別の自立計画に基づき、必要なサービスを利用者が選択・購入し、保険制度がサービス量に応じて対価を支払うというという制度で、わが国の介護保険に似ています。ただし、個人が自分の口座に保険制度からサービス量に応じた額を受け取って、自分が支払いを管理するということも可能であるなどの違いもあります。

大きな制度改革であったため、いろいろな影響がでており、さまざまなレポートも出されていて、このブログでも何度も紹介しています。今回のレポートは、この制度を支えるサービス提供事業者の財政状況や運営状況を中心にレポートしたものです。

結果から見えて来たものは、これらの事業者の財政状態は不安定になっていることです。政府が決めたサービス価格よりも実際にかかる費用の方が多いことがあり、利用者のニーズに応えられないなどのため小さな事業者を圧迫しているようです。

興味深い報告がなされています。下のサイトからダウンロードできます。(寺島)

https://www.csi.edu.au/research/project/how-disability-sector-faring/

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