[オーストラリア]国家障害者協定の見直しに関するレポート

リハ協ブログ2019年2月4日より転載

2019年2月1日、政府の生産性委員会(Productivity Commission)は、国家障害者協定の直しに関するレポート「国家障害者協定の見直し(Review of the National Disability Agreement)」を公表しました。

国家障害者協定(Disability Agreement:NDA)は、2008年7月17日にオーストラリア政府が障害者権利条約を批准したことにともない連邦政府、州政府、および特別地域がとりきめた障害者関連サービスの提供に関する高水準協定で、2008年に合意され、2009年から発効しています。また、2012年に一部改正されています。

この協定に基づき、あらゆる行政府が連携して障害者サービスを提供すること、連邦政府は障害者のニーズに合致した雇用サービスと収入保証の提供に責任を有すること、各州および特別地域政府は専門スタッフによる障害者サービスの提供責任を有することなどの役割分担が合意されました。

しかし、この協定は、合意されてから10年を経過しており、時代遅れになっているのではないかという懸念から、オーストラリア政府は、生産性委員会に対して、国家障害者協定が現代政策において妥当なのか、更新の必要性がないのかを検討するように依頼したものです。このレポートは、その報告書です。

レポートによれば、現在の協定は、時代遅れになっており、政策への影響力が低下しているため、政府間の協力を促進し、各政府の役割と責任を明確にし、かつ強化するために新しい協定が必要であるとのことです。

例えば、主に重度障害者を対象として、2013年に国家障害保険制度(National Disability Insurance Scheme:NDIS)が創設されましたが、その役割分担などが国家障害者協定には記載されていないなどが指摘されています。

詳しくは、下のサイトをご覧ください。レポートをダウンロードできます。(寺島)

https://www.pc.gov.au/inquiries/completed/disability-agreement/report

menu