[米国]フロリダ州で刑務所内の精神障害のある囚人の処遇改善のための和解が成立

リハ協ブログ2019年2月11日より転載

Prison Legal News2019年2月号によれば、フロリダ州の障害者擁護協会であるディスアビリティー・ライツ・フロリダ(Disability Rights Florida)とフロリダ矯正局(Florida Department of Corrections:FDOC)は、精神障害のある囚人のケアと治療に関して和解合意に達しました。

この和解は、2018年1月にディスアビリティー・ライツ・フロリダが連邦地方裁判所に訴えたことによるものです。

訴状では、フロリダには、治療を必要とする精神疾患があると診断された18,000人以上の囚人がおり、FDOCは、約1,200人の囚人を治療できる10か所の治療施設を刑務所内にもっているにもかかわらず、個性のない個別サービスプラン(Individual Service Plans:ISP)しか提供しておらず、囚人個々の精神的健康状態と無関係に処遇していると主張しました。また、入院患者のメンタルヘルス部門に資格のある臨床スタッフや刑務官がいないことが挙げられ、精神病による行動に対する不適切な投薬、拘束、処罰が行われていると非難しました。

和解によれば、FDOCは、囚人の個々のニーズに合わせて治療を調整するISPを作成するとともに、初期段階、および、定期的、または、緊急時に各囚人のケアニーズを満たすための学際的サービスチームを創設することになりました。

詳しくは、下のサイトをご覧ください。

https://www.prisonlegalnews.org/news/2019/feb/5/florida-doc-agrees-reform-prisoner-mental-health-care/

なお、参考までに、フロリダ州では、刑務所内の障害者の処遇改善を約束した和解も2018年に成立しています。(寺島)

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