[米国]有給休暇制度が障害者等のニーズに合致しているかについてのレポート

リハ協ブログ2019年2月8日より転載

ワシントンDCに本部を置く、知的障害者と発達障害者の支援団体であるArcは、2019年2月4日、有給休暇制度が障害者と彼らを取り巻く人々のニーズに合致しているのかについて分析したレポートを公表しました。

レポートのタイトルは、「有給休暇についての障害者からの観点 障害や健康上の大きな問題を抱える労働者の休暇取得に関する質的分析(Disability Perspectives on Paid Leave

A Qualitative Analysis of Leave-taking Among Workers Affected by Disabilities or Serious Health Conditions)」です。このレポートは、コロンビア大学全国貧困児童センター(National Center for Children in Poverty at Columbia University)と共同で実施した研究の報告書です。

レポートには、次のような研究結果が示されています。

  • 労働者は、障害など様々理由で退職を余儀なくされる。
  • 労働者は、働きながら障害などに対応できる時間を最大限に長くしたいと考えており、そのためには有給休暇やその他の退職に伴う制度は有効である。
  • 労働者は、育児介護休業法(Family and Medical Leave Act:FMLA)が役に立つと考えている。しかし、この利用には、多くの制限がある。

そこで、全国的に有給休暇の制度を創設することが望ましいというような結論を出しています。

日本人にとっては、なにをいまさら研究しているのかという感がありますが、米国の民間企業において有給休暇制度は一般的ではなく、育児介護休業法も、最長12週間、もとのポストは維持されるものの、無給であり、対象となる企業も一定数の授業員のいる企業であったりして、日本のように有給休暇が一般的ではないために、障害や病気になったときに有給休暇を使えたら良いのではないかという発想で研究がおこなわれています。

レポートは下のサイトからダウンロードできます。(寺島)

https://www.thearc.org/paidleavestudy

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