リハ協ブログ2019年7月20日より転載
2009年以来、据え置かれていた連邦政府の定める労働者の最低賃金を2025年までに時給7ドル25セントから15ドルに倍増させる法案(Raise the Wage Act)が、2019年7月18日、米議会下院で可決されました。下院は、民主党が過半の議席を握っており、定数435のところ、231対199の賛成多数で可決しました。
以前のブログでも紹介しましたが、注目される点は、この法案には、障害者の最低賃金除外規定を段階的に廃止する内容も含まれていることです。
米国には、1938年に成立した「公正労働基準法(Fair Labor Standards Act:FLSA)」があり、事業主が障害者の生産性が低いことを証明して労働局長に申請すれば、最低賃金の適用除外が認められています。これは、14(c)認証(14(c) certificates)と呼ばれています。
この法律は、労働省(Department of Labor)に対して、14(c)認証の新たな発行を中止することを求めています。
障害者の最低賃金法除外規定を廃止しようとする動きは、これまでも繰り返し行われてきました。その結果、ニューハンプシャー州、メリーランド州、アラスカ州の3つの州では、障害者に対する最低賃金未満の支払いに対する独自の制限を加えています。
今回、このような法律が下院で可決されたのは初めてのことです。しかし、与党・共和党が過半数を握る上院はこの法律を採決しない方針で、法律の成立は困難だろうと考えられています。
詳しくは、下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.congress.gov/bill/116th-congress/house-bill/582/text