[米国]社会保障法関係の障害現況調査の頻度と調査内容の変更に関するパブリックコメント

リハ協ブログ2019年12月20日より転載

2019年11月18日、社会保障局(Social Security Administration.)は、社会保障法関連の障害給付に関して、障害現況調査の頻度と調査内容を変更することについてパブリックコメントを求めています。

社会保障法関連の障害給付には、補足的保障所得(Supplemental Security Income:SSI)と社会保障障害保険(Social Security Disability Insurance:SSDI)がありますが、社会保障法は、これらの手当受給者に対して、障害状態が続いているかどうかを一定期間ごとに調査することを政府に求めています。

この確認方法には、医学的改善が期待される場合(Medical Improvement Expected:MIE)、医学的改善が可能な場合(Medical Improvement Possible :MIP))、医学的改善が期待できない場合(Medical Improvement Not Expected :MINE)の3種類があります。

MIEは障害が近々治癒すると予想される場合で、例えば、骨折、骨髄または幹細胞移植を伴う癌、腎臓移植を伴う慢性腎疾患、低出生体重などが含まれます。この場合、6か月以上18か月以内に調査を実施します。

MIPは治癒することもありうる場合で、例えば、クローン病、鎌状赤血球症、慢性潰瘍性大腸炎、てんかん、統合失調症などがあげられています。この場合、少なくとも3年に1回調査を行います。

MINEは治癒しないと考えられる場合で、障害が永続する障害が該当します。この場合は、少なくとも7年に1回、通常は5年に1回以上の頻度で調査します。

今回、社会保障法を改正して、新たに医学的改善もあるうる場合(Medical Improvement Likely:MIL)を追加することを提案しています。

MILはMIPよりも治癒するまでの期間が長い障害を想定しています。これまでの経験から、MIPで6か月以上18か月以内に調査しても、その時には治癒していないが、その後すぐに治癒する例が多かったために、それらの症例を早く把握して、受給者に早めに社会復帰していただくとともに、経費を削減したいというものです。そのために、MILは少なくとも2年に1回調査することとしています。また、この対象はその頻度が適当と思われる症例を指定するとしています。

また、これ以外にも、今回のパブリックコメントでは、MINEの頻度を6年に1回以上とすることや、どの調査類型に振り分けるのかの基準に今日の医学進歩を反映させるよう改訂することも提案しています。

パブリックコメントは、2020年1月17日が締め切りです。詳しくは、下のサイトをご覧ください。制度改正の趣旨やこれまでの経過など詳しく説明されています。必見です。(寺島)

https://www.federalregister.gov/documents/2019/11/18/2019-24700/rules-regarding-the-frequency-and-notice-of-continuing-disability-reviews

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