快適生活・暮らしのヒント-日々暮らしの中の工夫

「新ノーマライゼーション」2020年10月号

公益社団法人日本リウマチ友の会
門永登志栄(かどながとしえ)

私は、中学2年生(13歳)の時に関節リウマチと診断されて約50年になります。学生の頃、登校する時に朝のこわばりがあり、学生かばんの持ち手を握ることができなくて、重いかばんを下から両手で抱えて約2kmを歩いて通学しました。学校に着く頃になると、手は痛く足の裏も腫れて痛くて上靴が履けない毎日でした。その痛みはどのようにして解消していたのか、思春期ということもあり自分で意識して忘れようとしていたのか、その通学に関しては痛かったことだけを記憶しています。

重いかばんをリュックに変えるとか、かばんの中身を極力減らす、分散するなどの工夫はあったのではないかと今にして思います。当時は「痛みはそのうち治まる」一過性のものと思っていたのでしょう。

現在は良いお薬や良い先生方との出会いがあり、寛解に近い状態で日本リウマチ友の会の活動に参加しています。寛解に近い状態とはいってもリウマチは身体に静かに留まっていますから、無理をすると痛みが顔を出し、痛みと共に関節が変形してきて知らず知らずのうちに関節の力も弱くなってきています。

私は筋力や動きの低下を少しでも減らすことを目的に「リウマチ体操DVD」(企画・発行:日本リウマチ友の会)を見て体操をしています。階段の上がり降りに足が重い時は、椅子に座り片足を上げて5秒くらい止め、反対も同じようにして数回繰り返します。いろいろな運動がありますが、その日によって気になる箇所を1日数分動かすように心がけています(写真1)。
※掲載者注:写真の著作権等の関係で写真1はウェブには掲載しておりません。

また、高いところの窓を開ける時、知らず知らずのうちに足指の関節が変形したからでしょうか、指先を立てて背伸びをすることができず、肘も伸びにくくなっていることもあり、窓が開けにくくなってきました。

「窓を開けるのに何かないかな?」と家中を探したところ、肩こりの時にマッサージに使う木製のマッサージハンマーを見つけました。先端部分を鍵に当てて開け、窓のフレームを押すようにして開けています(写真2、3、4)。我が家ではこれを窓開けの代用品として使っています。
※掲載者注:写真の著作権等の関係で写真2・3・4はウェブには掲載しておりません。

今年の夏は猛暑で一日中エアコンをつけ、寝る時もそのままつけていました。一日中エアコンで冷えた部屋にいたので、体中が冷え切っていたのでしょう。足が攣る日が増えて大変でした。その様子を見ていた家族が「丈の長い靴下を履いたらどう?」とすすめてくれました。自分では病歴も長く、身体は冷やしてはいけないことは熟知していましたが、今年の異常な暑さですっかり気が緩んでいました。言われてハッとし、寝る時に靴下をはいて寝るようにしました。おかげで、足の攣る日が少なくなりました。

特別な道具を使ったリハビリや工夫ということだけではなく、関節の保護や無理をしない等、当たり前のことを意識して工夫をして生活することが、リウマチをコントロールしていけることではないのかと改めて思っています。

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