[厚労省]障害児入所施設の在り方検討会報告書を公表

令和2(2020)年1月24日、第7回「障害児入所施設の在り方に関する検討会」が開催され、同検討会の報告書案が承認されました。 平成24年の児童福祉法改正において「福祉型」と「医療型」に再編された障害児入所施設について、障害福祉施策や社会的養護施設等の動向や障害児入所施設の実態を考慮しながら障害児入所施設の在り方を検討するため、平成31年2月から7回にわたり検討されてきた結果をまとめたものです。 報告書のタイトルは、「障害児入所施設の機能強化をめざして―障害児入所施設の在り方に関する検討会報告書―」です。 同報告書の主な項目や内容は次のようになっています。

1.基本的視点

平成26年7月16日に障害児支援の在り方に関する検討会によって取りまとめられた「今後の障害児支援の在り方について」で整理された4つの機能(①発達支援機能、②自立支援機能、③社会的養護機能、④地域支援機能)が、実際に支援の現場で発揮されるよう、取組を強化することが必要である。

2.基本的な方向性

①ウェルビーイングの保障:家庭的養護の推進

障害児入所施設においても、できる限り良好な家庭的環境の中で、特定の大人を中心とした継続的で安定した愛着関係の中での育ちを保障することでウェルビーイングの向上を目指す。

②最大限の発達の保障: 育ちの支援と合理的配慮

幼児期からライフステージを通じて、子どもの育ちを支援するとともに、発達段階、障害特性に応じて個々に配慮した環境設定、支援を行う。

③専門性の保障:専門的ケアの強化と専門性の向上

複合的な課題を抱える障害児への支援強化のために、専門性の向上を図る。

④質の保障:運営指針の策定、自己評価・第三者評価等の整備

支援の質を保障するために、運営指針にそった運営、支援をおこなうとともに、運営、支援の透明性を担保するために、自己評価、第三者評価の仕組みを導入する。

⑤包括的支援の保障:家族支援、地域支援の強化、切れ目のない支援体制の整備、他施策との連携

・家族を孤立させないために家族を含めたトータルな支援を行っていく。
・不適切な養育や虐待の疑い等で保護された児童に対しては、親子関係の再構築等の家庭環境の調整や、家庭復帰後の虐待再発防止のための親支援を行う。
・障害児入所施設が地域の児童発達支援センター等と連携し、地域の障害児と家族を支える中核的機能の役割を担う。
・市町村、都道府県、地域の障害福祉サービス事業所、学校等、関係機関が積極的に関与連携し、子どもと家族に対する切れ目ない支援を継続する。
・障害児施策だけで完結するのではなく、障害者施策、母子保健施策、子ども子育て支援施策、社会的養護施策等と連携をし、包括的に課題に対応していく。

3.施設種別ごとの課題と今後の方向性

(1)福祉型障害児入所施設の課題と今後の方向性

①発達支援機能

家庭的な養育環境の推進、専門性の高い支援、教育と福祉の切れ目のない連携

②自立支援機能

自立に向けた支援の強化、18歳以上の障害児入所施設入所者への対応(年齢に応じた障害者福祉サービスを確保し、入所施設における児童に対する支援の質を確保するため等により、満18歳で退所することを基本とする。)

③社会的養護機能

被虐待児等の増加を踏まえた支援力の強化、児童養護施設等との連携強化

④地域支援機能

ソーシャルワーカーの配置の必要性、障害児を委託されている里親やファミリーホームを支援

(2)医療型障害児入所施設の課題と今後の方向性

①発達支援機能

福祉的支援の強化、強度行動障害児等への対応、医療的ケア児への対応、教育と福祉の切れ目のない連携

②自立支援機能

児者一貫のもとでの発達・自立支援、地域生活への移行に向けた支援、有期有目的支援の強化

③社会的養護機能

被虐待児等の増加を踏まえた支援力の強化

④地域支援機能

短期入所を活用した支援、通所支援の活用、ソーシャルワーカーの配置

(3)福祉型・医療型に共通する課題と今後の方向性

契約入所と措置入所の整理、質の確保・向上、権利擁護、入所施設間の連携強化、他の障害福祉サービスや他分野の施策の柔軟な利用、障害児入所施設の名称の変更、都道府県・市町村の連携強化

詳しくは、下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09048.html

menu