[米国]FDAが自傷行為などを抑止する電気刺激装置を禁止する最終規則を公示

2020年3月4日、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)は、自傷行為または攻撃的な行動を抑制するために使用される電気刺激装置(electrical stimulation devices:ESD)を禁止する規則を公示しました。

ESDは、人の皮膚に取り付けた電極を介して電気ショックを与え、自傷行為または攻撃的行動をやめさせたり、そのような行動を起こさせなくするための装置です。

米国では20年以上前から用いられてきていますが、基礎疾患の症状の悪化、うつ病、不安、心的外傷後ストレス障害、痛み、火傷、組織損傷など、多くの重大な心理的および身体的リスクが伴うことや、知的障害や発達障害のある人びとに用いられた場合痛みを伝えることが難しいなどの問題があることから、パブリックコメントなどを通じてこの装置を禁止する規則案が検討されてきました。

その結果、この装置の有効性が低いことや、この装置を使わずとも、薬物療法や行動療法などにより医療提供者が患者の自傷行為や攻撃的な行動を抑制するための代替アプローチを見つけることができると考えられることから、今回、この装置を禁止する規則を最終的に決定したとのことです。

規則は、医師主導の移行が行われる場合は、官報告示の180日後に有効になり、それ以外は30日後に有効になります。

詳しくは、下のサイトをご覧ください。
https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-takes-rare-step-ban-electrical-stimulation-devices-self-injurious-or-aggressive-behavior

最終規則は、下にあります。(寺島)
https://www.federalregister.gov/documents/2020/03/06/2020-04328/banned-devices-electrical-stimulation-devices-for-self-injurious-or-aggressive-behavior

menu