[厚労省]障害者虐待事例への対応状況等について公表

令和3(2021)年3月26日、厚生労働省は、「令和元年度都道府県・市区町村における障害者虐待事例への対応状況等(調査結果)」について公表しました。

厚生労働省は、障害者虐待防止法(平成24年10月1日施行)を受け、障害者虐待に対する各都道府県等の対応等について毎年調査しており、今回は、令和元年度の調査結果となります。

調査結果の概要は下の通りです。

調査結果の概要

<養護者による障害者虐待>

○養護者による障害者虐待の相談・通報件数については、平成30年度から8%増加(5,331件→5,758件)。虐待判断件数については2.7%増加(1,612件→1,655件)である。
○相談・通報件数に対する虐待の判断件数の割合は、昨年度から減少となっている。(平成30年度:30%(1,612/5,331)、令和元年度:29%(1,655/5,758))
○相談・通報者の種別では、警察が34%(1,964件)、本人による届出が16%(913件)、施設・事業所の職員が15%(863件)、相談支援専門員が15%(843件)であり、これらが上位を占める。
○虐待行為の類型は、身体的虐待が64%と最も多く、次いで心理的虐待が30%、経済的虐待が21%、放棄、放置が15%、性的虐待が4%の順。
○被虐待者の障害種別は、知的障害が53%と最も多く、次いで精神障害が36%、身体障害が19%の順。
○虐待の事実が認められた事例での対応策として被虐待者の保護と虐待者からの分離を行った事例は、711人で全体の43%を占める。
○虐待による死亡事例は、なし。(平成30年度もなし)

<障害者福祉施設従事者等による障害者虐待>

○障害者福祉施設従事者等職員による障害者虐待の相談・通報件数は、平成30年度から6%増加(2,605件→2,761件)。判断件数については8%減少(592件→547件)している。
○相談・通報件数に対する虐待の判断件数の割合は、減少となっている。(平成30年度:23%(592/2,605)、令和元年度:20%(547/2,761))
○相談・通報者の種別では、本人による届出が18%と最も多い。次いで、当該施設・事業所設置者・管理者と当該施設・事業所その他の職員が14%、

家族・親族が13%となっている。

○虐待行為の類型は、身体的虐待が53%と最も多く、次いで心理的虐待が40%、性的虐待が13%、経済的虐待が10%、放棄、放置が7%の順。
○被虐待者の障害種別は、知的障害が79%と最も多く、次いで身体障害が21%、精神障害が12%の順。
○虐待者の職種は、生活支援員が42%、その他従事者が9%、世話人が8%、サービス管理責任者と管理者が7%の順。
○虐待の事実が認められた事例への対応状況として障害者総合支援法等の規定による権限の行使として実施したものは230件であった。
○虐待による死亡事例は、2人。(平成30年度も2人)

なお、令和元年度の使用者による障害者虐待の状況等については、令和2年8月28日に公表されています。

詳しくは、次のサイトをご覧ください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000189859_00005.html

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