リハ協アップデート

「新ノーマライゼーション」2021年2月号

「リハ協アップデート」2回目の今月号では当協会の事業のひとつであるCBID(地域に根ざしたインクルーシブ開発)事業をご紹介します。

当協会が1990年代から取り組んできたCBR(地域に根ざしたリハビリテーション)は国連障害者権利条約の制定に合わせてCBIDが目指す、障害のある人を含めて誰もが暮らしやすくなるための地域づくりの推進へと変化してきました。言い換えると地域共生社会の実現への取り組みといえます。

日本の地域では少子高齢化とそれに伴う人材不足という共通する課題をかかえており、日本にこそCBIDの考え方が重要ではないかとの観点にたち、当協会では地域共生社会の実現のための研修プログラムを開発しました。このプログラムの肝は、専門家による支援だけではなく住民を含む多くの関係者とのつながりを促す、という点です。SDGs(持続可能な開発目標)の理念でもある「誰一人取り残さない」ことを目指すということは、誰しもがある場面では主体者になり得ることにつながるからです。日本財団のご協力により、2016年に3地域(富山県入善町、松本市の地区、名古屋市にあるNPO)、2017年に3地域(黒部市のNPO、松本市、大府市にある精神科のある病院)でこのプログラムは実践されました。

当協会では今年の秋に、CBIDのアジアの実施者を講師に招いてCBID国際シンポジウム(オンライン)を開催し、日本のこれまでの取り組みに対して助言や提案をしていただくことを予定しています。アジアと日本の関係者がインクルージョン(地域共生)の実現を語り合い、相互に学びあう機会になることを願っています。2021年4月から施行される国の重層的支援体制整備事業では横断的な地域づくりを推奨していますが、そのヒントも提供できるのではないかと思っています。

国際シンポジウムの開催に関する開催時期やプログラムなどの詳細は決まり次第お知らせして参ります。皆様のご参加をお待ちしております。(U)

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