快適生活・暮らしのヒント-体調維持のために体の負担を減らす工夫

「新ノーマライゼーション」2021年3月号

一般社団法人全国心臓病の子どもを守る会 岡山県支部 岡山心友会
藤田陽子(ふじたようこ)

私は先天性心疾患で、生まれつき心臓の形や血管に異常があります。先天性心疾患があると生後間もなくや乳幼児期、また成長とともに外科的・内科的治療を行うことで一般的な心臓と同等の働きに近づけます。いわゆる健康な人と遜色(そんしょく)ない生活が送れるほど回復するケースはあるものの、基本的に「治る」ことはありません。生涯にわたり心疾患と付き合う必要があります。そんな先天性心疾患患者の体の状態は人によりさまざまで、一人ひとりが子どもの頃から無理のないよう努力して生活しています。

さて、私は比較的重症といわれる部類です。運動制限なども多く、年齢を重ねるとともに体力が低下して、体調のコントロールが難しくなってきています。そのような中ではいかに現在の体調を維持できるかが大切になってきます。

今回は、体への負担を少なくする私の工夫をご紹介します。

夫と結婚したのは約10年前で、その間に在宅酸素を導入しました。今は運動等による負荷の時にだけ吸えばよいのですが、以前は就寝時も吸う必要がありました。その頃私は貧血の影響もあり、ずいぶん肌が荒れていました。そのため、酸素を吸うためのカニューラ(鼻につける管)が当たるとそれが刺激となり、頬の部分が赤くただれたようになっていました。

そこで皮膚科の先生に相談して、アトピーの人が使えるという肌に優しいガーゼのことを教えてもらいました。そのガーゼを細くカットして、カニューラに直接巻きつけるという方法を試しました。少しゴワゴワしますが、肌の荒れは落ち着きました(写真1)。
※掲載者注:写真の著作権等の関係で写真1はウェブには掲載しておりません。

次に家事の作業で工夫していることをご紹介します。

生活の中で最も時間を取られるのは調理です。私は時間の経過とともに疲れが出るのか、一日の後半になると動きが取りにくくなります。そのため夕食の下ごしらえやお弁当のおかず作りを午前中に済ませるようにしています。

夕食は炒めるだけ・温めるだけ・揚げるだけで済むように、下ごしらえをします。また、お弁当も作り置きをして、詰めるだけで済むようにしています(写真2)。外食やお惣菜を利用することはありますが、こうしたものはおいしいけれど味が濃く塩分も高めなので、なるべく自分で作るようにしています。
※掲載者注:写真の著作権等の関係で写真2はウェブには掲載しておりません。

献立は早くから考えます。一日のスケジュールが書き込める家計簿を見つけたので、それに事前に1~2週間分の献立を書き込んでいます。その献立に沿って買い物を済ませたり、商品を配達してもらいます。「明日はこのメニューだから…」と翌日の午前中の段取りを考えておくようにします(写真3)。
※掲載者注:写真の著作権等の関係で写真3はウェブには掲載しておりません。

とにかく早め早めに行動することで体への負担を減らすよう心がけています。いつも調子よくというわけにはいかない毎日ですが、低空飛行ながら安定した生活を送れるよう努力しています。

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