[英国]高等法院がライブ手話通訳のつかない政府の会見放送を違法と認定

2021年7月28日、高等法院(High Court)は、聴覚障害者のケイティ・ローリー(Katie Rowley)さんが、内閣府のCOVID-19に関する会見放送において手話通訳がつかなかったことは平等法等に違反しているとして内閣府のMichael Gove大臣を訴えた裁判について、ローリーさんを支持する判決を下しました。

この事例は、内閣府が実施しているCOVID-19に関する会見放送の第1回目と第2回目に会場での手話通訳(ライブ手話)がついていなかったために、学校の休校、公共スペースの閉鎖、ロックダウン、マスク着用などについて知ることができなかったことから、政府は平等法が定める、聴覚障害者が放送にアクセスできるようにするという義務を果たしておらず、また、科学的な会見放送においてライブ手話通訳を提供しないことによって、公共部門の平等義務に違反していると訴えたものです。

内閣府は、字幕がついており、また、BBCのニュースチャンネルや官邸のtwitterやyoutubeチャンネルで手話がついたビデオを見られることを主張していましたが、ローリーさんは、視覚障害とディスレクシアがあり、それらでは対応できないことなどが論点になっていました。

詳しくは、下の判決文をご覧ください。(寺島)
https://www.judiciary.uk/wp-content/uploads/2021/07/R-on-the-application-of-Katherine-Rowley-v-Minister-for-the-Cabinet-Office.pdf

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