[インド]ボンベイ高等裁判所が腐食性物質による火傷を障害認定

ボンベイ高等裁判所は、沸騰した可燃性の腐食性物質を顔と身体にかけられて負傷した女性に「障害者権利法(PWD)法(2016年)」の規定に基づいて、障害者が利用できる補償、リハビリテーション措置、無料の医療を受けられるべきとの判断を下しました。

Kavita Nityanand Shettyさんは、2010年11月24日、寝ている間に、夫から沸騰した可燃性の腐食性物質を顔と体にかけられ、全身の70〜80%に重い火傷を負うとともに、身体一部が変形しました。

女性はその治療として50万ルピーを支払いましたが、その後の再建手術についてはお金がないために受けられないため、居住するマハラシュトラ州政府が運営するManodhairyaスキームという補償制度に基づく支払いを求めました。しかし、州は財政難を理由にそれを拒否したために裁判になっていたものです。

2021年10月4日、ボンベイ高等裁判所は、補償制度による支払いは認めませんでしたが、2016年障害者権利法(Rights of Persons with Disabilities (PWD) Act, 2016)に基づき、障害者として、リハビリテーション措置、無料の医療を受けられるべきとの判断を下しました。

同法には、障害の一覧が示されており、身体障害、視覚障害、聴覚障害などが列記されていますが、身体障害の中に「特定の障害」というカテゴリーがあり、その中に「酸による攻撃の被害」が含まれているとのことで、今回の被害者はそれに該当すると判断されました。

インドでは酸をかけられることがよくあるのかもしれません。

判決文は、下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://bombayhighcourt.nic.in/generatenewauth.php?bhcpar=cGF0aD0uL3dyaXRlcmVhZGRhdGEvZGF0YS9qdWRnZW1lbnRzLzIwMjEvJmZuYW1lPTIwMDEwMDEzNDI2MjAxN18xNi5wZGYmc21mbGFnPU4mcmp1ZGRhdGU9JnVwbG9hZGR0PTE0LzEwLzIwMjEmc3Bhc3NwaHJhc2U9MDQxMjIxMTUxODEw

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