編集後記

障害者関連の国際比較をするときに問題になるのは、各国の障害の定義が異なっていることです。例えば、国連では人口の15%が障害者であるといっていますが、わが国の障害者の割合は8%程度ですし、世界で最も障害者の割合が高いニュージーランドでは24%とされています。フィリピンやマレーシアは人口の1%台とされています。(DISABILITY AT A GLANCE 2019, UNESCAPから引用)。この違いの理由の多くは、障害の定義が異なっていることです。

あたりまえの話ですが、障害の定義を同じにしなければ、障害関連の比較はできません。この問題を解決するために、今月号でご紹介したユニセフの報告書では、ユニセフとワシントングループ(the Washington Group on Disability Statistics in Asia and the Pacific)が開発したChildFunctioning Moduleを使用しています。

このモジュールは、生物心理社会モデル(biopsychosocial model)に基づき作成されており、2-17歳の障害児の比較ができるとのことです。(寺島)

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