快適生活・暮らしのヒント-身近なものを利用して暮らしやすく~片マヒの私の工夫

「新ノーマライゼーション」2021年11月号

高橋摩衣子(たかはしまいこ)
横浜市在住

私は10年ほど前に脳卒中になり、左側の手足が不自由になりました。左手はまったく動きません。左足は装具を履き、杖を使えば外出ができるようになりました。暮らしの中のちょっとした工夫をご紹介します。

玄関のたたきに足置きマット

わが家の玄関のたたき(靴を脱ぐ場所)には、靴を履かずに降りられるスペースがあります。私は装具を履いているので、ちょっとサンダルを履いてたたきに降りるという動作ができず、また、室内から大きく手を伸ばしてドアを開閉することができません。そこで、50cm四方の市販のクッションカーペットをたたきに敷いて、装具のままそこに降りてドアの開閉をしています。百均のすのこでもよいのですが、ガタツキや滑りにくさを考えるとこちらの方がおススメです。便利なようで家族にも好評です。

壁も下駄箱に

私は立位での靴の着脱が困難なので、玄関に折りたたみ式のいすを設置しています。靴をたたきに置くと玄関のスペースが狭くなるうえに、靴を取りにくくなります。そこで、壁に滑りにくいゴム製のコートフックを取り付け、そこに靴を掛けることにしました。これで靴箱から靴を取り出す手間が省け、かつ安全に靴を履くことができます。フックは、靴のつま先がたたきにつかない位置に取り付けることがポイントです。

片手で簡単にできる!洗濯ばさみの活用

ごみは簡単に汚れを気にすることなく捨てたいですね。ゴミ箱の内側にビニール袋をセットするなど、片手で袋を扱う時は、両手が使えた時と同じようにやろうとすると難しいことが度々あります。そこで、マヒした手で押さえられない部分を洗濯ばさみで補っています。1か所が固定されていれば、後は片手で簡単にできます。ぜひ試してみてください。

ドライヤーで髪を乾かす

髪をドライヤーで乾かす時、片手しか使えないと悩みますね。今はドライヤーを固定する市販の道具があるようですが、わざわざ買わなくても、洗面所にあるもので間に合うかもしれません。私は洗面所のタオル掛けがちょうどいい高さと角度にあったので、そこにドライヤーを差し込んで乾かしています。または、手すりの隙間に持ち手を差し込んでもよいと思います。

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