[英国]法律委員会がヘイトクライム関連法に関する最終報告書を公表

2021年12月7日、法律委員会(Law Commission)は、ヘイトクライム関連法に関する最終報告書を公表しました。

法律委員会は、1965年法律委員会法によって設立された法定独立機関であり、イングランドとウェールズの法律について、公平性、現代性、簡潔性、費用対効果等の観点から検討し、必要に応じて改革を勧告する組織です。

同報告書では、次のような点について勧告しています。

〇障害者とLGBT+の人々の保護の強化

ヘイトクライムの対象として、人種、宗教、性的指向、障害、トランスジェンダーの5つがあるが、関連法はこれらの5つに対して同程度に保護していない。例えば、刑法では、障害に基づいて暴行された人には、人種に基づき暴行された人と同じ保護が与えられていない。

平等の観点から、特に障害者とLGBT+のヘイトクライム被害者をより強力に保護する必要がある。

また、搾取のような形態による障害者へのヘイトクライムの起訴を支援するための法改正が求められる。

〇性とジェンダーの虐待への取り組み

「性またはジェンダー」はヘイトクライム関係法の対象にしても、性的虐待や家庭内暴力に対して女性や少女を保護するのに効果がなく、場合によっては逆効果になるため、別の施策により対応すべきである。

〇表現の自由の保護

悪質なヘイトスピーチは犯罪とするものの、中立的な見解を述べることなどについての表現の自由を保障する。

詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.gov.uk/government/publications/hate-crime-laws-final-report

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