リハ協アップデート

「新ノーマライゼーション」2022年3月号

小中学生の発達障害など読みに困難がある児童生徒向けのマルチメディアデイジーについてご紹介します。

■マルチメディアデイジーで期待される効果

紙の教科書だと、読むこと自体に一生懸命でなかなか中身が入ってきません。これに対し、マルチメディアデイジーでは、右の図のように文章がハイライトして、その部分を音声で喋ってくれるので、どこを読んでいるかがわかります。

図拡大図・テキスト

また、見て情報をとることが難しい場合は、音で情報をとれます。そして、背景色、文字の大きさ、再生速度も変更可能で、一人ひとりの困難さに応じたカスタマイズができるので、読みに関する負担を減らすことができます。

■マルチメディアデイジーによる支援の現状

当協会では、平成20年度から発達障害など読みに困難のある児童生徒のためのマルチメディアデイジー化された小中学校の教科書を製作・提供しています。おかげさまで利用者は着実に増加していますが、以下の課題があり、当協会としてもさまざまな施策を具体化中です。

  • 効果的な読みの支援としての認知が進み、令和2年度にはデイジー教科書の利用者が約1万4,000名となりましたが、都道府県によって普及率に差があるため、利用促進についての啓発活動に注力しています。
  • 読書活動のための児童書等のマルチメディアデイジーによる提供が不十分であり、令和元年度から、配信サイト「デイジー子どもゆめ文庫」を開発し、提供を開始しています。

■「デイジー子どもゆめ文庫」の概要

ホームページ: https://yume.jsrpd.jp

【教材の選書方針】教科書が推薦している図書/人気の図書/利用者からの要望の多い図書

【子どもが自分でアクセスして利用できることを重視したサイト】充実した検索機能:ジャンル、学年、教科書会社名などで絞り込み、書名での検索/人気図書順の表示

【利用できる図書】計177冊

(Y)

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