[文科省]「新しい時代の学びを実現する学校施設の在り方について」最終報告を公表

令和4(2022)年3月30日、文部科学省は、「新しい時代の学びを実現する学校施設の在り方について」最終報告を公表しました。

同報告書は、「学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議」によるもので、同会議の下に設置されている「新しい時代の学校施設検討部会」において令和4年3月4日において承認されていました。

同報告書では、「未来思考」で実空間の価値を捉え直し、学校施設全体を学びの場として創造するとして次の5つの方向性を示しています。

1.学び:個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向け、柔軟で創造的な学習空間を実現
 ⇒1人1台端末環境等に対応した机を配置し、多様な学習を展開できる教室環境の整備
 ⇒個別学習や少人数学習など柔軟に対応できる多目的スペース、学習支援、教育相談等の環境整備
 ⇒教職員のコミュニケーション・リフレッシュの場(ラウンジ)、映像編集空間(スタジオ)の整備
2.生活:新しい生活様式を踏まえ、健やかな学習・生活空間を実現
 ⇒居場所となる温かみのあるリビング空間(小教室・コーナー、室内への木材利用)
 ⇒空調設備の整備、トイレの洋式化・乾式化、手洗い設備の非接触化
3.共創:地域や社会と連携・協働し、ともに創造する共創空間を実現
 ⇒地域の人たちと連携・協働していく活動・交流拠点として「共創空間」を創出
 ⇒地域の実情等に応じた他の公共施設等との複合化・共用化等
4.安全:子供たちの生命を守り抜く、安全・安心な教育環境を実現
 ⇒老朽化対策等により、安全・安心な教育環境を確保
 ⇒避難所として自家発電・情報通信設備、バリアフリー、水害対策等の防災機能を強化
5.環境:脱炭素社会の実現に貢献する、持続可能な教育環境を実現
 ⇒屋根や外壁の高断熱化や高効率照明などの省エネルギー化、太陽光発電設備の導入の促進により、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を推進
 ⇒環境や地域との共生の観点から学校における木材利用(木造化、室内利用)を推進

特別支援教育に関しては、「1.学び」において、多様な教育的ニーズのある児童生徒への対応として、インクルーシブ教育システムの構築や合理的配慮の基礎となる環境整備として、バリアフリートイレやスロープ等による段差解消、エレベーター等のバリアフリー化を一層推進すること、また、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が安全かつ円滑に交流及び共同学習を行うことができるスペースや落ち着いて学習できるスペース、クールダウンできるスペース、医療的ケアの実施に配慮されたスペース等、適切な指導及び必要な支援を可能とする施設環境を確保すること等を取り上げています。

詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/044/toushin/1414523_00004.htm

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