NPO法人みのり 領家グリーンゲイブルズ
加藤木(施設長) 領家グリーンゲイブルズ(GG)は2020年4月に視覚障害を中心とした事業所として開設しました。
コーヒー焙煎は知人から誘いを受け機械式の焙煎機から始めましたが、うちの指導員でもあるカフェの店長から「直火で焙煎をしよう」と提案があり本格的に始めました。
生田(焙煎リーダー) 機械式の時は文字をみないといけなくて正直難しいと思いました。直火で焙煎するようになって、みんなで作業を分担してやるようになったことが今のみんなの自信になっていると思います。
菊地(タイムキーパー) 最初はすごく緊張して不安もありましたが、回数を重ねるごとに少しずつ慣れてきて上達してきました。
本田(広報) 今まであまり開拓してこなかった分野への可能性が広がって希望を感じました。
山仲(音聴き担当) 初めは難しいと思ったけど、練習するうちにおいしい味になっていったことが一番嬉しいです。
生田 まず弱火で5分。中火と強火も5分ずつ熱していきます。最終的に170度を超えていくと1ハゼのパチパチという音が鳴ります。その音を耳で判断して焙煎していきます。品種によっては深煎りや浅煎りなどすべてタイミングが変わってきます。
山仲 豆の種類によってハゼ音が鳴らない時もあるし、いきなり2ハゼがきたりすることもあるので判断するタイミングが難しく悩むことがあります。
菊地 季節による温度変化で焙煎のレシピが変わってきます。それに応じてタイムを報告するのが難しいです。
本田 焙煎した豆を販売するためのパッケージ作りで作業分担してやっています。口に入るものなので清潔第一で取り組んでいます。
生田 自家焙煎だから心がこもっていておいしいという反響は多いですね。
菊地 ラジオを聞いた母の友人が注文をしてくれました。評判がよくて嬉しいです。
山仲 友達からめちゃくちゃおいしいと言ってもらえて嬉しいです。
加藤木 一番嬉しいのは、うちの職員も利用者もスタッフみんなが自信をもって周りの人に勧めてくれること。コーヒーは日常的に飲むものなので、みんなが勧めてくれてそれがまたリピートに繋がっていくところがすごく良いなぁと思っています。
加藤木 夏場でも気軽にGGのコーヒーを味わってほしいとの思いから、アイスコーヒーパックを準備中です。注ぐだけで本格的な味を楽しめます。
本田 GGコーヒーで甘いコーヒーやスイーツも作って、小さい子やコーヒーを飲まない人にもお勧めできるようになりたいです。
加藤木 今後は3つの連携を考えています。
1つめは「地域との連携」。地域の大学や団体とコラボして、商品開発やデザインを考えていこうという案が出ています。
2つめは「他の障害の方との連携」。GGでは片麻痺の方がコーヒーのドリップ担当となってカップテストをしています。いれる技術も上がってきて、イベント販売ではその場でコーヒーをいれて提供していますが、そのおいしいコーヒーを日ごろから皆さんに提供できる機会や場所を考えていきたいです。
3つめは「他の作業との連携」。GGではいろいろな作業をやっていますが、その中の1つに国家資格を持った利用者が施術するマッサージがあります。
カフェ+マッサージのお店を駅の近くで開き、GGコーヒーやスイーツ、マッサージで癒しをご提供。そういうお店ができたらなぁ、というのが大きな野望ですね。