[米国]CDCが自閉症に関する新しい統計を公表

2023年3月23日、米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)の運営する「自閉症および発達障害モニタリングネットワーク(Autism and Developmental Disabilities Monitoring (ADDM) Network)」は、「2023年自閉症に関するレポート(2023 Community Report on Autism)」を公表しました。

ADDMネットワークは、「2000年児童健康法(Children's Health Act of 2000)」に基づき、CDCが設置したもので、全米のさまざまなコミュニティにおける自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder: ASD)やその他の発達障害のある子どもの数と特徴を追跡しています。ADDMネットワークは、20年以上にわたって全米からASDのデータを収集し、報告してきました。

今回の調査は、2020年に11の異なる地域に住む8歳と4歳の子どもの健康と特殊教育に関して収集されたデータを分析した結果を報告しています。

おもな調査結果は次の通りです。

•時間の経過とともにASDの早期発見数が増加している。
 2016年に生まれた子どもは、2012年に生まれた子どもと比較して、4歳までにASDの診断を受けたり、ASD特殊教育に分類される割合が1.6倍であった。
•COVID-19パンデミックが始まった直後はASD診断は中断された。
 2020年3月頃から、2016年生まれのADDMネットワークコミュニティ内の子どもは2012年に生まれた子どもよりもASD評価や診断を受ける回数が減り始めた。パンデミックがこれらの子どものASDの早期発見に与えた影響、また、これらの子どもたちの将来のニーズを予測する際にこれらのデータを活用できる。
•ASDと特定された8歳児の推定割合(36人に1人)は、前年に引き続き増加している。
•ASDと特定された8歳の黒人、ヒスパニック系、アジア系または太平洋諸島系の児童の割合(A/PI)は、はじめて8歳の白人の児童よりも高かった。

この新しいパターンは、診断の公平性における全体的な改善を示している可能性があるが、これまで低かった人口においてASDの発生率が上昇した他の要因の可能性を考慮することが重要である。

詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.cdc.gov/ncbddd/autism/addm-community-report/index.html

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