2023年３月６日から24日まで、第28回会期「障害者の権利に関する委員会(Committee on the Right of Persons with Disabilities)」(障害者権利委員会)が開催されました。

障害者権利委員会は、「障害者の権利に関する条約（Convention on the Rights of Persons with Disabilities)」(障害者権利条約）第34条に規定されており、18人の独立した専門家からなる組織です。通常、ジュネーブで、年に2回会合を開きます。

同委員会は、障害者権利条約の実施状況について締約国が定期的に提出する報告書を検討し、その国における条約の実施を強化するための勧告を行います。また、２年ごとに国際連合総会及び経済社会理事会に活動報告を行います。

また、条約と同時に発効した選択議定書(A/RES/61/106)に基づき、個々の苦情を受けつけ、それについて調査します。また、重大かつ組織的な条約違反がある場合にも調査を行います。

さらに、委員会は、テーマ別の問題に関する一般的意見として、人権条項に関する解釈を公表します。

今回の委員会では、アンゴラ、ジョージア、チュニジア、アルゼンチン、ペルー、トーゴの報告に対する最終見解を採択しました。また、第28回会期の報告書と、国連総会および経済社会理事会への第７回隔年報告書を採択しました。さらに、「危険な状況にある障害者に関する一般的意見9(General Comment Nine on persons with disabilities in situations of risk)」の草案を検討しました。

また、3つの苦情案件を検討した結果、２件で条約違反があり、1件は容認できないものであったたとのことです。

今回の委員会で、Muhannad Salah Al-azzeh (ヨルダン)、Rehab Mohammed Boresli (クウェート)、Laverne Jacobs (カナダ)、Alfred Kouadio Kouassi (コートジボワール)の4人が新しく委員に就任しています。また、Amalia Gamio Rios (メキシコ)、Rosemary Kayess (オーストラリア)、Miyeon Kim (韓国)、Gertrude Fefoame (ガーナ)、Markus Schefer (スイス)の５人の委員が再任されています。

第29回会合は、2023年８月14日から９月８日までジュネーブで開催される予定です。

詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.ungeneva.org/en/news-media/meeting-summary/2023/03/le-comite-des-droits-des-personnes-handicapees-termine-ses