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著作権法
第3章 出版権(第79条―第88条)

(昭和45年5月6日法律第48号)

最終改正:平成21年7月10日法律第73号


平成21年6月19日法律第53号(未)(施行=2年内、平22年1月1日(済))

平成21年7月10日法律第73号(施行=平22年4月1日)

著作権法(明治32年法律第39号)の全部を改正する。

第3章 出版権

(出版権の設定)

第79条
第21条に規定する権利を有する者(以下この章において「複製権者」という。)は、その著作物を文書又は図画として出版することを引き受ける者に対し、出版権を設定することができる。
複製権者は、その複製権を目的とする質権が設定されているときは、当該質権を有する者の承諾を得た場合に限り、出版権を設定することができるものとする。

(出版権の内容)

第80条
出版権者は、設定行為で定めるところにより、頒布の目的をもつて、その出版権の目的である著作物を原作のまま印刷その他の機械的又は化学的方法により文書又は図画として複製する権利を専有する。
出版権の存続期間中に当該著作物の著作者が死亡したとき、又は、設定行為に別段の定めがある場合を除き、出版権の設定後最初の出版があつた日から3年を経過したときは、複製権者は、前項の規定にかかわらず、当該著作物を全集その他の編集物(その著作者の著作物のみを編集したものに限る。)に収録して複製することができる。
出版権者は、他人に対し、その出版権の目的である著作物の複製を許諾することができない。

(出版の義務)

第81条
出版権者は、その出版権の目的である著作物につき次に掲げる義務を負う。ただし、設定行為に別段の定めがある場合は、この限りでない。
  • 1.複製権者からその著作物を複製するために必要な原稿その他の原品又はこれに相当する物の引渡しを受けた日から6月以内に当該著作物を出版する義務
  • 2.当該著作物を慣行に従い継続して出版する義務

(著作物の修正増減)

第82条
著作者は、その著作物を出版権者があらためて複製する場合には、正当な範囲内において、その著作物に修正又は増減を加えることができる。
出版権者は、その出版権の目的である著作物をあらためて複製しようとするときは、そのつど、あらかじめ著作者にその旨を通知しなければならない。

(出版権の存続期間)

第83条
出版権の存続期間は、設定行為で定めるところによる。
出版権は、その存続期間につき設定行為に定めがないときは、その設定後最初の出版があつた日から3年を経過した日において消滅する。

(出版権の消滅の請求)

第84条
出版権者が第81条第1号の義務に違反したときは、複製権者は、出版権者に通知してその出版権を消滅させることができる。
出版権者が第81条第2号の義務に違反した場合において、複製権者が3月以上の期間を定めてその履行を催告したにもかかわらず、その期間内にその履行がされないときは、複製権者は、出版権者に通知してその出版権を消滅させることができる。
複製権者である著作者は、その著作物の内容が自己の確信に適合しなくなつたときは、その著作物の出版を廃絶するために、出版権者に通知してその出版権を消滅させることができる。ただし、当該廃絶により出版権者に通常生ずべき損害をあらかじめ賠償しない場合は、この限りでない。
第85条
削除

(出版権の制限)

第86条
第30条第1項(第3号を除く。次項において同じ。)、第31条第1項、第32条、第33条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第33条の2第1項、第34条第1項、第35条第1項、第36条第1項、第37条第1項及び第3項、第37条の2、第29条第1項、第40条第1項及び第2項、第41条から第42条の2まで並びに第46条から第47条の2までの規定は、出版権の目的となつている著作物の複製について準用する。この場合において、第35条第1項、第42条第1項及び第47条の2中「著作権者」とあるのは、「出版権者」と読み替えるものとする。
前項において準用する第30条第1項、第31条第1項第1号、第33条の2第1項、第35条第1項、第37条第3項、第37条の2本文(同条第2号に係る場合にあつては、同号)、第41条から第42条の2まで又は第47条の2に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該著作物を公衆に提示した者は、第80条第1項の複製を行つたものとみなす。

(出版権の譲渡等)

第87条
出版権は、複製権者の承諾を得た場合に限り、譲渡し、又は質権の目的とすることができる。

(出版権の登録)

第88条
次に掲げる事項は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。
  • 1.出版権の設定、移転(相続その他の一般承継によるものを除く。次号において同じ。)、変更若しくは消滅(混同又は複製権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限
  • 2.出版権を目的とする質権の設定、移転、変更若しくは消滅(混同又は出版権若しくは担保する債権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限
第78条(第2項を除く。)の規定は、前項の登録について準用する。この場合において、同条第1項、第3項、第7項及び第8項中「著作権登録原簿」とあるのは、「出版権登録原簿」と読み替えるものとする。