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デイジー活用事例集 小学校低学年

音読の代わりとしてデイジーを活用することで、読みに対する抵抗感が減った

北海道札幌市立北九条小学校教諭 山下 公司

1.本人の現況

小学校2年生(8歳)男子、広汎性発達障害。読むことへの抵抗があり、音読などはしない。読みの様子としては、逐次読みで、内容理解ができない。

デイジーを使用する前には、音読課題を軽減し、学校では、先生が横で読んであげる場面を作っていた。現在は、同様の支援は受けていない。通級指導教室での個別指導を受けている。

2.デイジーの活用による支援

デイジーは、小学校2年生の10月より使用している。使用を始めた頃は、音読はせず、音読をさせようとすると、頭痛などの体調不良を訴えていた。使用は、通級指導教室担当者からの働きかけをきっかけにはじめた。使用期間は、小学校2年生10月から小学校3年生までであった。

デイジー教科書は、小学生の国語の教科書(光村図書上下)を使用した。

パソコンでAMISを使って再生した。

自室で、導入時は母と一緒に利用することから始めた。その後は一人で、予習として利用していた。「音読頑張り表」を活用し、デイジーを使って、読めば音読したことと見なした。

在籍の通常の学級では活用できていない。通級指導教室にて通級指導担当者と「音読頑張り表」の評価を行う形で使用している。予習としての活用し、内容理解を進めている。一時停止をし、範読としてデイジーを活用している。

音読の代わりとしてデイジーを活用することで、読みに対する抵抗感が減った。実際の教科書での音読に関しては、デイジーを予習として活用することで内容理解が進み、自ら行うようになってきた。デイジーで取り組んだものについては、読みが流暢になった。読めるという自信を持つことで音読のスピードは増したが、文末での勝手読みが少し出てきた。それについては、デイジーを活用し本人に意識化することで減ってきた。

漢字の読みに関しては難しいものの、母親の手を借りながら、図書館で当該学年相当の小説などの本を借りてきて読むようになった。頭痛などの体調不良を訴えることが少なくなり、学習にも意欲的に取り組むようになった。

デイジーを学習の導入として使うことで、本を読むことが楽しい。わかることが楽しいと実感できていたように感じる。音読頑張り表では、1日に1つの題材を読むだけで構わないという話をしていたが、1日に何度もいろんな題材を読むなどの様子が見られた。

また、本児の場合、パソコン操作を日頃から行なっていたため、導入もスムーズであった。子どもの興味関心に合致した形でデイジーを活用できたことが大きな成果を得られた一因になったものと考える。

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