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デイジー活用事例集 小学校高学年

文字からの情報を積極的に取り入れ、学びに興味・関心を持てるようになり、自尊感情が高まった

大阪府大阪市内 通級担当教諭

1.本人の現況

小学校5年生(11歳)男児で、医療機関にはかかってない。オプトメトリストにかかって、視機能に問題ありと判断された。

読むのが遅いが、勝手読み、適当な読み、とばし読みで正確に読めない。

デイジーを使用する前には特に読みに関する支援は受けていなかった。デイジー以外の読みの支援としては、ビジョントレーニングを受けている。

2.デイジーの活用による支援

デイジーは、小学校3年生の11月から使い始めた。

保護者から、教科書の音読の宿題や本を読むのをいやがること、観察画がなかなか形にならない等の相談を受け、K-ABC、WISC-Ⅲの心理検査実施したところ、視覚認知の課題が表出した。通級指導教室で、本児のニーズにあった学習をするために、デイジーの活用を始めた。

2009年11月から使い始め、現在に至っている。

使用したデイジー教科書は、小学校の国語である。デイジー図書は特に使用していない。

デイジーの再生環境はパソコンで、再生ソフトはAMISを使用している。通級指導教室で、担当教師と国語のマンツーマンの個別指導で活用している。

デイジーを活用するようになったことで、学校でも家でも教科書を読むのを嫌がらなくなった。教科書に対する拒否感も軽減している。また、読めることで達成感や自信がつき自尊感情が高まったようである。

生活全般に、自信がついて情緒が安定してきた。友達との関係でもトラブルが減ってきた。

マルチメデイアデイジー教科書を使用することで、学習のまな板に載せることができ、教科書・文字からの情報を積極的に取り入れること、学びに興味・関心を持てるようになってきたこと、自尊感情が高まったことなど大きな成果があった。同時に、ビジョントレーニングを取り入れることにより、より正確で形のよい文字を書けるようになってきた。

小学生にとって、本人の努力にも係わらず、教科書がスムーズに読めないこと、正しい漢字が書けないで、書き直しや注意されるこが多いことは、どんなにか学校生活が苦痛になるだろうと想像する時、教師や保護者たちは、読みにくさを持っている子どものことに早く気づいてほしい。そして、早くマルチメディアデイジー教科書を使用し、読めることで学習意欲を高めてほしいと切に願っている。

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