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デイジー活用事例集 小学校高学年

特別支援学級に転級してから教科書自体を使わなくなったため、デイジー教科書の使用は減っていったが、教科書以外のデイジーは今も使用している

保護者 牧野 綾

1.本人の現況

小学6年生、11歳。ディスレクシアで、文字を一字一字確認しながら読む。

デイジーを使用する前は、特に読みに関する支援は受けていなかった。

通常学級の時は「ことばの教室」に週1回通っていたが、特別支援学級に転級してからは、ことばの教室に通えなくなったため、なし。

2.デイジーの活用による支援

デイジーの使用をはじめたのは、小学校2年生の秋から。1人で音読していたときより格段にスムーズに音読できるようになり、本人も感動していた。

デイジー講習会で作り方を学んだのがきっかけで、親が作り始めたものを使用するようになったのが使用のきっかけである。

小学校2年~3年まではデイジー教科書を使用していたが、特別支援学級に転級してから教科書自体を使わなくなったため、使用が減っていった。教科書以外のデイジーは今も使用中。

使用していたデイジー教科書は、小学生の国語。

使用したデイジー図書は、『3匹のやぎのがらがらどん』(日本障害者リハビリテーション協会)、『ルリユールおじさん』(日本障害者リハビリテーション協会)、『長ぐつをはいたネコ』(調布デイジー)、『狸と与太郎』(調布デイジー)、『おおかみと七ひきのこやぎ』(調布デイジー)、ほか多数。

デイジーは、パソコンでAMISを使用して再生し、自宅で、1人または弟と一緒に、純粋に読書を楽しむために使用している。

誰かの手を煩わせないと読めなかった教科書が1人で読めたので、自尊心が高まった。内容理解が進み、読めなくても本を手にすることが多くなった。「読んでるんじゃなくて見てるの」という発言からも、読めないことを認識はしているが、強制されずに本に関心が持てているようだ。

デイジーを使用し始めた頃に特別支援学級に転級したため、比較はできないが、毎日楽しく学校に通っている。

子どもを実験台にすることはできない。まったく同じ生活を続けて、デイジーを使うか使わないかで比較すれば研究としてのデータはとれるだろうが、親も子も日々葛藤している。やれることはどんどんやりたいし、無理はさせたくない。いろいろ試してみたことの中に、「デイジーで本を読む」が入っていて、本人にプラスになることが1つでもあればそれでいいんじゃないかと親としては思う。