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1990年から1999年まで

この時代も引き続き分科会にとって実りの多い時期であった。主として重要であったのは、先の10年間に設立された作業部会が、それぞれの専門分野におけるガイドラインを発行したことであった。

最初に発行されたのは、『聴覚障害者のための図書館サービスガイドライン(Guidelines for library services to deaf people)』(92)であった。ガイドラインの必要性は、分科会の「聴覚障害者のニーズを確認するための作業部会(Working Group to Identify the Needs of the Deaf)」が関心を示していたことであり、ガイドラインは、一般市民にサービスを提供する図書館部会のガイドライン準備プロジェクトとの連携により作成された。このプロジェクトは、IFLAの1988年中期プログラムの一部であった。ガイドラインの見直しと追加情報は、世界ろう連盟などいくつかの聴覚障害者団体から寄せられた。同連盟は、ガイドラインの見直しと情報提供に続き、これを承認した。(93)

次は、『受刑者のための図書館サービスガイドライン(Guidelines for library services to prisoners)』(94) で、1991年に発行された。刑務所図書館に関する国のガイドラインを開発中の国のための手引きとして策定された同ガイドラインには、人事および職員の配置、蔵書、施設、設備、資金調達と予算、そしてサービスに関する勧告が盛り込まれた。1995年に発行された第2版(95) には、サービスのレベル、蔵書の規模、職員の配置、資金調達、評価とマーケティングの方法に関する、さらに具体的な情報が盛り込まれた。

最後に、『読みやすい図書のためのIFLA指針(Guidelines for easy-to-read materials)』(96) が1997年に発行された。このガイドラインは、1)読みやすい作品の特性とその必要性を解説し、対象となるユーザーグループを特定すること、そして2)読みやすい図書の出版社や、読むことに障害がある人々のために活動している団体・機関に対し、示唆を与えることを目的としていた。そして、編集の方法、デザイン、レイアウト、出版の手順、およびマーケティングに関する情報など、さまざまなテーマを網羅していた。

この時代のその他の活動として、分科会は高齢者に対する図書館サービスの作業部会を設立した。 (97)また、一般市民にサービスを提供する図書館部会の調整理事会に対し、多数の提案を提出したが、その中に、識字に関するコアプログラム確立の勧告があった。(98)専門理事会はプログラムの導入に同意したが、(99) 最終的には執行理事会が、財政的・組織的理由によりこれを拒否した。その代わりに、この問題を研究し、これに関わる勧告を行う作業部会が設立された。(100) そしてついには、読みに関する正式な分科会が設立されるに至った。2007年、作業部会は「識字・読書分科会(Literacy and Reading Section)」となった。

最後に、分科会は調整理事会に、図書館利用において不利な立場にある人々にサービスを提供している図書館のための、国際的なリソースブックの作成を提案した。2年間のプロジェクトとして計画されたこのモノグラフには、分科会の歴史、大会論文目録、不利な立場にある人々に関する最新の主題書誌(カミングによる1977年の文献目録を発展させた内容)が掲載されることになった。これは2001年に、『図書館利用において不利な立場にある人々へのサービス国際リソースブック(International Resource Book for Libraries Serving Disadvantaged Persons)』(101)として発行された。第2版は2009年に発行される予定である。