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2007年IBBY障害児図書推薦リスト

点字図書またはさわる絵本

10.『La Sorpresa de Nandi(ハンダのびっくりプレゼント)』
作:Browne, Eileen
訳:María Cecilia Silva-Díaz
出版社:Ediciones Ekaré(カラカス、ベネズエラ)
出版年:2004年
ISBN 980-257-196-2 26ページ
邦訳:『ハンダのびっくりプレゼント』光村教育図書 2006
(注)原作の邦訳であり、点字図書ないしはさわる絵本ではない

ナンディは友だちのティンディにプレゼントをして驚かせたいと考えます。そして、いろいろな果物を入れたかごを用意します。ナンディはかごを頭の上に載せて、ティンディの村へと歩いていきます。ティンディはどの果物が一番好きかしらと考えながら。ナンディは、いろいろな動物たちが果物を一つずつとっていくのに気づきません。かごがからっぽになったとき、ナンディはたった今やぎがぶつかったみかんの木の下を通り過ぎます。たくさんのみかんが木から落ちてきて、かごはまたいっぱいになります。ナンディが村に着いたとき、ティンディはナンディのびっくりプレゼントをとても喜びました。どうしてナンディは、ティンディの大好きな果物がみかんであることがわかったのでしょう?


11.『Stop bugging me! (ぶんぶんうるさくしないでよ!)』
作:Brown, Ruth
出版社:Ruth Brown(トロント、カナダ)
出版年:2006年 12ページ
布の絵本
「ぶんぶんうるさくしないでよ!」の写真
このさわって読む布の本は、弱視または全盲の子どものために作られましたが、ほかの障害を抱える幼い子どもにもふさわしい作品です。これは虫に関する本として読むこともできますし、点字がついている円形の板と虫とを合わせるゲームとしても使えます。点字の勉強に苦労している、目が見える人の役に立つように、それぞれの虫の名前が、該当する円板の裏側に縫い付けられています。そのほかの特徴としては、いろいろなページに、カナダ鹿の皮やナイジェリア木綿からフィンランドのオイルクロスにいたるまで、肌触りの異なるさまざまな布地が選ばれて使われていることがあげられます。それぞれの布地の名前は、縫い付けられたラベルでわかるようになっています。


12.『Rupsje Nooitgenoeg(はらぺこあおむし)』
作:Carle, Eric
出版社:Lemniscaat(ロッテルダム、オランダ)(製作インド)
出版年:2006年 22ページ

邦訳:『はらぺこあおむし』偕成社 1997
(注)原作の邦訳であり、点字図書ないしはさわる絵本ではない

*日本版さわる絵本は2008年4月、偕成社より発行
(直販のみ)
「はらぺこあおむし」の写真
これは人々にとても愛されている絵本、『はらぺこあおむし』の特別版で、チェンナイ(インド)のKaradi Tales社内の発行所Dreaming Fingersによって企画・制作されました。この本は、視覚障害児とその支援者との協力のもとに、インドで手作りされました。点字の文章だけでなく絵も楽しめるように、さまざまな素材が使われましたが、本によって少しずつ違いが見られます。ピンク色の蝶もいれば、赤や青、紫の蝶もおり、それぞれの本をユニークなものにしています。制作された本はどれもオランダで販売されていますが、そのうちの一冊がインドの視覚障害児のための教育プロジェクトに寄付されました。


13.『Atal Matal(アタル・マタル)』
デザイン:Farmani, Zahra
出版社:Children’s Book Council of Iran/Donya Institute Cloth Books Series(テヘラン、イラン)
出版年:2006年
布の絵本
「アタル・マタル」の写真
アタル・マタル(Atal Matal)は、こっけいな歌に合わせて遊ぶ、イランのとても古いゲームです。ゲームをする人は、両足を前に伸ばして地面に座ります。リーダーが子どもたちに歌を歌わせ、拍子ごとに足を一本ずつ優しく触っていきます。歌が終わったとき、最後に足を触られた人はその足をひざのところで曲げます。ゲームは、円の中で伸びている足がたった一本になるまで続けられ、足が残った人が勝ちになります。この人気のあるゲームが、今や布の本を使って楽しめるようになりました。本には七人の登場人物がでてきます。それは大家族と牛で、本の後にはさらにたくさんの足があるむかでもついています。アタル・マタル(Atal Matal)は、さまざまな障害を持つ子どもが楽しむことができ、また、ほかの話を作ることにも使えます。本が入っている布の袋には、本文のCDと音楽のCDとが入っています。


14.『Muu, säger kon(うしはもーもー)』
作:Bruna, Dick
レリーフ:Annica Norberg
出版社:TPB(エンスケデ、スウェーデン)
出版年:2006年  14ページ

視覚障害児向けのこのシンプルなボードブックは、Dick Brunaの原作から抜粋して作成された作品です。文章は大活字と点字、絵はさまざまな肌触りの柔らかな布で作られたレリーフになっています。この本はスウェーデン国立録音点字図書館(TPB)によって出版され、市販はされていません。


15.『なないろのクラ』
文・絵:小林映子(Macこば)
出版社:ユニバーサルデザイン絵本センター(さいたま、日本)
出版年:2004年

透明なクラゲが、きれいな色になりたいと考えます。ある日、お日様に招かれてクラゲは海面まで泳いで上がっていきます。そこで、クラゲの透明な体は、虹の七色に光ります。この絵本では、一様に色を塗った絵に、半透明のUV硬化樹脂インクを上塗りして、触れてわかるようにしています。また、赤、黄、そして緑色が、違ったパターンのドットやストライプを使って表現されています。この出版社は専門の会社ではありませんが、独自の製本方法(この本は折りたたまれているだけです)により、点字の絵本の制作費を削減しました。これによって、毎年二冊、安価な図書を子どもたちに提供できるようになったのです。


16.『Ruvidino in piscina(プールのルヴィディノ)』
出版社:Istituto dei Ciechi di Milano(ミラノ、イタリア)
出版年:2002年  5ページ
触れて学ぶシリーズ
「プールのルヴィディノ」の写真 「プールのルヴィディノ」の写真
プールにいるルヴィディノとその友だちが、さまざまな形と肌触りの小さな物体で表現されています。この話は親しみやすいので、子どもたちは話の内容を自分自身の個人的な経験と結びつけることができます。簡単な文章が、標準ブロック体と点字で印刷されています。