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21世紀における通信と映像アクセシビリティに関する2010年法(S.3304)
(Twenty-First Century Communications and Video Accessibility Act of 2010)

【仮訳】

条文別要約
S.3304が我々にもたらすもの

出典:
Section-by-Section Summary
What S. 3304 Will Do For Us
アクセシブル技術団体連合
(Coalition of Organizations for Accessible Technology)
http://www.coataccess.org/node/9776

第Ⅰ章-通信へのアクセス

第101条:定義

  • 「次世代通信」(相互接続および非相互接続によるVoIP、電子メッセージングおよび双方向テレビ会議サービスなど)、「消費者発信型メディア」ならびに「障害」の定義を示す。

第102条:補聴器との互換性

  • インターネットで使用される電話に補聴器との互換性を義務付ける。

第103条:リレーサービス

  • 障害のある人々と障害のない人々の間だけでなく、誰とでも通信できるように、リレーサービスの使用を許可する。したがって、たとえばTTYユーザーは、テレビ電話を使用してアメリカ手話でコミュニケーションをとっている人に、リレーサービスを利用して電話することができる。
  • インターネットベースの音声通信サービスプロバイダーに対し、州間リレーサービス基金(Interstate Relay Service Fund)への寄付を義務付ける。

第104条:次世代通信サービスおよび機器へのアクセス

  • 達成可能な場合、アクセシブルな次世代通信機器およびサービスを義務付ける。これが達成可能でない場合は、達成可能であれば、各種機器およびサービスに、障害のある人々がアクセスを得るために一般に使用している機器との互換性を備える。
  • 達成可能であれば、スマートフォンなどの携帯電話機器に、インターネットサービスへのアクセス機能を内蔵することを義務付ける。
  • 「達成可能」とは、連邦通信委員会(FCC)が定めるように、相応の努力あるいは費用を伴うものとして定義される。
  • 法の執行を促進し、FCCによる議会への定期報告と、会計検査院長官による法の執行に関する調査を義務付ける。
  • 機器製造業者およびサービスプロバイダーに対し、記録管理義務を追加する。
  • アクセシブルな製品およびサービスに関する情報交換の場を設け、一般の人々への啓蒙と支援を行うことを義務付ける。

第105条:盲ろうの人々のためのリレーサービス

  • 盲ろうの人々が利用する機器の予算として、年間1000万ドルを上限とし、州間リレーサービス基金から割り当てる。

第106条:緊急時のアクセスに関する諮問委員会

  • 緊急時のアクセスに関する諮問委員会を設立し、将来インターネットにより可能となる緊急コールセンターとの確実な双方向通信を実現する規則を提案し、FCCがこれを採択する。

第II章-ビデオ番組

第201条:ビデオ番組および緊急時のアクセスに関する諮問員会

  • ビデオ番組および緊急時のアクセスに関する諮問委員会を設立し、クローズドキャプション、音声解説、アクセシブルな緊急情報、ユーザーインターフェース、ビデオ番組のガイドならびにメニューに関する勧告を行う。

第202条:音声解説とクローズドキャプション

音声解説

  • 1年後には、最も人口が多い上位25市場の9つのテレビ局(上位4放送局と上位5ケーブル局)で、週4時間の音声解説を付けることを義務付けたFCC規則を復活させる。
  • 2年後には、FCCに対し、音声解説について議会に報告することを義務付ける。
  • 4年後には、FCCに対し、9つのテレビ局で音声解説を週7時間に増やすことを認める。
  • 6年後には、FCCに対し、(最も人口が多い上位25市場だけでなく)上位60市場で音声解説を付ける義務を適用することを義務付ける。
  • 9年後には、FCCに対し、音声解説を付けて放送する市場を追加する必要性について議会に報告することを義務付ける。
  • 10年後には、FCCに対し、全国での達成率100%を実現するため、毎年新たに10市場に音声解説を拡大することを認める。

緊急情報

  • ビデオ番組所有者、プロバイダーおよび配信者に対し、緊急情報を全盲または弱視の人々にとってアクセシブルにすることを義務付ける。

クローズドキャプション

  • 字幕付きテレビ番組をインターネットで配信する際には字幕を付けることを義務付ける。
  • FCCに対し、クローズドキャプションを付ける規定の免除を求める要求(規定の順守が経済的な負担となる場合)を、12ヵ月以内に承認または否認することを義務付ける。

第203条:クローズドキャプションデコーダーと音声解説機能

  • ビデオ番組の受信あるいは再生用に設計された機器について、画面のサイズを問わず、クローズドキャプションが表示できるようにし、利用可能な音声解説を提供できるようにするとともに、緊急情報を全盲あるいは弱視の人々にとってアクセシブルにすることを義務付ける。ただし、画面のサイズが13インチ未満の機器については、相応な努力あるいは費用により達成可能な場合、これらの要件を満たさなければならないものとする。
  • ビデオ番組の録画用に設計された機器(DVRなど)について、クローズドキャプション、音声解説および緊急情報の表示とパススルー方式での配信ができるようにし、視聴者がどのサイズの画面で再生しても、クローズドキャプションや音声解説のオン/オフを切り替えられるようにする。

第204条:デジタル機器のユーザーインターフェース

  • ビデオ番組の受信あるいは再生用に設計された機器について、以下を義務付ける。
    • 達成可能な場合、内臓機能の制御を、全盲あるいは弱視の人々にとってアクセシブルかつ利用可能なものにする。
    • 内臓機能の制御を、音声出力により、全盲あるいは弱視の人々にとってアクセシブルかつ利用可能なものにする。
    • 内蔵されているクローズドキャプションおよび音声解説機能へのアクセスを、クローズドキャプションまたはアクセシビリティ機能を作動させるために設けられたボタン、キーもしくはアイコンに十分匹敵する仕組みを通じて提供する。

第205条:ナビゲーション機器上で提供されるビデオ番組のガイドおよびメニューへのアクセス

  • 達成可能な場合、ケーブル/衛星セットトップボックスのオンスクリーンテキストメニューおよびガイドを、全盲あるいは弱視の人々が聴覚を活用して利用できるようにすることを義務付ける。
  • 内蔵されているクローズドキャプションおよび音声解説機能へのアクセスを、クローズドキャプションまたはアクセシビリティ機能を作動させるために設けられたボタン、キーもしくはアイコンに十分匹敵する仕組みを通じて提供する。

第206条:定義

  • 「諮問委員会」、「会長」、「委員会」、「緊急情報」、「インターネットプロトコル」、「ナビゲーション機器」、「音声解説」および「ビデオ番組」の定義を示す。

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