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スウェーデンにおける印刷字を読むことに障害のある人々への図書館サービス-ディスレクシアとDAISYを中心に-

南アフリカにおけるさわる絵本

文:ビアトリース・クリステンセン・ショールド(Beatrice Christensen Sköld)

まもなく南アフリカにさわる絵本がやってくる。これはスウェーデン国立録音点字図書館(TPB)と南アフリカのTPBに相当する機関である視覚障害者図書館との協力事業によって実現した。TPBからの参加者のビアトリース・クリステンセン・ショールドがさらに詳しく語る。

2007年秋、TPBと南アフリカ視覚障害者図書館とのプロジェクトが、SIDA(注:1)との協力においてIFLA ALP(注:2)の資金により遂行された。このプロジェクトは8月に南アフリカで開催されたカンファレンスにより始まった。TPBのデザイナー、アニカ・ノルベリィ(Annica Norberg)がそこでイギリス、ニュージーランド、南アフリカの図書館司書や教師達と共にさわる絵本製作のワークショップを開いた。アフリカ大陸の各国から15名の人々が参加した。

11月にはまた別のコースが南アフリカで開かれ、アニカ・ノルベリィと私が参加した。これらのコースの結果、グラハムスタウン(Grahamstown)の視覚障害者図書館がさわる絵本の製作を始めることになった。以前に視覚障害を持つ児童のために絵本を作成した経験のある、リィネッテ・ルードマン(Lynette Rudman)がその製作支援のために働くことになっている。現在最年少の子ども達の為に、点字布絵本が20冊作成されている。

アニカと私はカップスターデン(Kapstaden)でセミナーを開き、さわる絵本の使用方法や様々な製作方法について話した。セミナーの参加者は出版社や学校や図書館などに勤める20人程度の人々だった。視覚障害者のための教科書を作成するある会社が、セミナーに影響を受けて、現在私達がスウェーデンで用いているのとほぼ同じ方法で図書を作成している。

注1:SIDAは、Swedish International Development Cooperation Agency(スウェーデン国際開発協力機構)の略である。SIDAについては、下記のサイトを参照のこと。
SIDA(スウェーデン語サイト)
http://www.sida.se
SIDA(英語サイト)
http://www.sida.se/sida/jsp/sida.jsp?d=121&language=en_US

注2:IFLA ALPは、The International Federation of Library Associations and Institutions(国際図書館連盟)のAction for Development through Libraries Programme Core Activity(図書館プログラムコア活動を通した開発のための行動)の略である。IFLA ALPについては、下記のサイトを参照のこと。
Action for Development through Libraries Programme Core Activity (ALP), IFLANET
http://www.ifla.org/VI/1/alp.htm

『みんなの図書館』, スウェーデン国立録音点字図書館(TPB)発行, 2008年第1号, p.12より翻訳