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スウェーデンにおける印刷字を読むことに障害のある人々への図書館サービス-ディスレクシアとDAISYを中心に-

グニッラは言語サービスのおかげで何が起きているのかを知ることができる

スウェーデンディスレクシア協会(FMLS)発行
新聞『読み書き』2007年6月号, p.18

トロルヘッタンから来ているグニッラ・シェンペは、会議に参加する時は言語サービスを利用している。このような機会は、自由時間においても仕事においても頻繁にある。彼女はスウェーデン・ディスレクシア協会(FMLS)及び障害者運動団体で活動し、またディスレクシア専門ソーシャルワーカーとして働いているのである。

彼女自身のディスレクシアは、彼女がメモをとったり、それと同時にディスカッションに参加したりすることの障害となっている。彼女が会議から会議へと移動する時、困難なのは様々な状況において誰が何を話していたのかを区別することである。また彼女にとっては、メモやその他の書類から重要な事柄をふるい分けすることが大変複雑な作業なのだ。しかしそのような事柄を介助してくれるのが、言語サービス課より来て、彼女に付き添う言語支援通訳士なのである。

ディスレクシア協会の総会にグニッラは、イェーテボリィに住む言語支援通訳士、ディッテ・ペッテルソンを伴ってきた。ディッテはノートをとり、読み上げ、説明し、グニッラが何か忘れていることがあれば彼女に思い出させる。

「私はストレスを受けると、よく物事を忘れてしまいます。以前にもディッテと共に仕事をしたことがありますが、常にうまくいっています。彼女は私が何を欲しているか分かってくれます。私達は、二人で参加した最初の会議の前に、どのように仕事をするべきか話合いました。」グニッラは言った。

現在ディッテは会議のノートをアルファスマート(Alphasmart )で書き、後で文書を自分のPCに移している。その後文書処理を行い、できあがった文章をグニッラに送付する。グニッラはそれを自分のPCで読んだり、わかりやすい速度で聴き取ることができる。

グニッラが始めて言語サービスと連絡を取ったのは4年前、トロルヘッタンのディスレクシア協会(FMLS)で行われた情報会議の時だった。

彼女はこのサービスこそ自分に必要なものなのだと、すぐに理解した。彼女は言語サービスを利用してみて、満足した。現在グニッラは頻繁に言語サービスを活用している。このサービスは仕事においてでも、個人的な生活においてでも、団体業務においてでも構わずに利用できる。また昼夜を問わず、休日でも利用できる。費用はグニッラには一切負担がかからない。ただ彼女はちょうどいい時間に予約ができるかどうか、注意をすればよいだけなのだ。

電話サービスと言語サービス

電話サービスと言語サービスは、話すこと、聴くこと、記憶すること、読み書きに困難がある人々へのサービスです。

何か公共機関に電話をしなければならない時、3者通話をすることによって電話サービスの支援を受けることができます。まず始めに電話サービスに電話して、何を話し、何をしなければいけないのかを話合います。その後、利用者が(実際の)電話をかける間中、電話サービスの職員が介助者としてついているのです。電話サービスは例えば、(文章を)読み上げたり、ノートを取ったり、利用者が忘れてしまったことを思い出させたり、理解できなかったことを説明したりして、介助を行います。このサービスは全国にあり、郵便及び電話局が運営しています。

電話番号:020- 221144

言語サービスは医療区県会を通して利用できます。このサービスとは主に、利用者が会議に参加する時に言語支援通訳士がつきそうことを意味しています。通訳士は会議で話された事をノートに取り、読み上げ、必要な事柄を思い出させ、説明します。また利用者が言いたいことをうまく表現できるように介助します。また通訳士は文書によるコミュニケーションの際も手助けをし、重要な電話の時には傍についています。全ての医療区県会が言語サービスを提供しているわけではありません。詳細は、医療区県会に電話をしてください。

言語サービスにも電話サービスにも守秘義務が課せられています。

新聞『読み書き』, スウェーデンディスレクシア協会(FMLS)発行, 2007年6月号, p.18より翻訳