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講演<1> 「インド アンドラプラデシュ州における農村貧困削減事業」

農村貧困撲滅協会 IKPプロジェクト・マネージャー
ラジャ・プラタップ・クマール

 

上野 それでは午後は5人の講師の方々からご発表をいただきますが、ここからは進行を高嶺豊さんと沼田千妤子さんにお任せします。

高嶺豊さんは現在、琉球大学の法文学部の教授で、1990年から、障害問題の専門官としてバンコクにあります、国連ESCAP(アジア太平洋経済社会委員会)の社会開発部に赴任され、アジア太平洋諸国の障害者政策の樹立の促進や、障害者自身の自助運動の支援などでご活躍されました。また、1993年から始まった「アジア太平洋障害者の十年」の事務局の責任者として、その推進に大きく貢献されたのは、皆様よくご存じのことと思います。

それからもう1人、沼田千妤子さんは、社団法人日本発達障害福祉連盟の理事で事務局長をされています。沼田さんはJICAの集団研修の中で、地域住民による知的障害者支援コースのコースリーダーを長く務められまして、元研修員のプロジェクトへの支援を続けてらっしゃいます。例えばフィリピンにあります知的障害者の就労の場としてのベーカリーの支援事業ですとか、ホンジュラスなどでの事業に関わり、現在はカンボジアで行われている、地域住民による知的障害者を含めた支援に携わっていらっしゃいます。

それでは高嶺さん、沼田さん、どうぞよろしくお願いいたします。

 

高嶺 皆さん、こんにちは。高嶺と申します。今日は、私と沼田さんの2人でコーディネーターをやっていきたいと思います。

今日午前中のチャパルさんのお話を聞いて、これから、インクルーシブ発展、開発と言いますか、それが主流になりつつあるということで、このキーワードを元にして、今日これからインドの発表とか、途上国の様々な事例を聞いて、それと日本の事例を聞いて、議論を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

沼田 沼田です。よろしくお願いいたします。午前中のチャパルさんのメッセージは非常に明確で、私たちが進んでいく方向は大体示していただいたと感じています。午後は、5人の方のご経験をお聞きし、具体的な方法を学びたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

高嶺 では我々、交互に講師の方を紹介していきたいと思います。最初の方がラジャ・プラタップ・クマールさん。ラジャさんは、農村開発に長く携わられており、1995年からはCBRの活動に専念され、2000年には、インドのアンドラ・プラデシュという所の「コミットメント」というNPO法人ですけど、そこで、障害者の自助グループの結成に携わっておられます。2003年からは、世界銀行の融資で行われた貧困削減事業の中の障害者部門があります。そこの中心の方として活躍されている方であります。今日は、特に世界銀行の融資によって行われたプロジェクトのお話をしていただくことになっています。ラジャさん、登壇お願いします。

 

ラジャ 皆さん、こんにちは。ラジャ・プラタップ・クマールと申します。アンドラ・プラデシュ州からまいりました。政府の組織であります農村貧困撲滅協会に勤めております。これは世界銀行から資金提供を受けています。今日は、自助グループの形成についての私の経験をお話しできる機会をいただき光栄に思います。国際的な会議に参加するのは今回が初めてです。アンドラ・プラデシュ州における障害者の自助グループ結成について詳細にお話をしたいと思います。

アンドラ・プラデシュ州の概要

私は農村貧困撲滅協会という組織で仕事をしていますが、これは世界銀行のプロジェクトの実施機関で、アンドラ・プラデシュ州のハイデラバードにございます。これ(図1)がインドの地図です。アンドラ・プラデシュはここにある州です。インドは世界第2位の途上国で、人口は10億7,970万人、1人あたりの所得はわずか1万7,642ルピーです。先進国に比べますと、かなり低いです。

図1(図1)

アンドラ・プラデシュ州ですが、州都はハイデラバードで、ほとんどの住民がテルグ語を話します。私もそうです。人口は7,620万人です。そして障害者人口はほぼ136万人となっております。

さて、この農村貧困撲滅協会ですが、プロジェクト実施機関でして、自治組織になっています。そして公共団体法に登録されております。実施機関は「農村貧困撲滅協会」で、プロジェクト名はインディラ・クランティ・パサム(Indira Kranthi Patham)といいますが、その主な目的は、州内の農村部の貧しい人たち、特に最貧困層の人たちの生計および生活の質の改善、貧しい人たちによる草の根レベルの自主管理組織の設立、特に女性による自助グループと、その連合組織、村落組織およびマンダル・サマキヤス(Mandal Samakhyas)の形成です。

障害者プログラムの概要

障害者プログラムであるインディラ・クランティ・パサムの目的ですが、障害者の開発、特に政策立案に、また様々な出先機関の事業において障害の問題意識を取り入れることです。アンドラ・プラデシュ州政府は、障害者は最貧困層に属して社会の中で最も弱い立場にあることを認識しています。そして、そして世界銀行の支援による貧困削減プロジェクトを活用して支援するために、参加型の開発プロジェクトを設計し、実施することを決定しました。世銀から特別な許可を得たのです。そして、その中で、障害者の自助グループを作っていきました。

障害者プログラム、インディラ・クランティ・パサム(図2)ですが、フェーズ1(2003年から2008年)のときに、1333万米ドルの支援を世界銀行から得ました。「マンダル」というふうに書いてありますけれども、このマンダルというのは、最も規模の小さい行政単位であります。人口は4万5,000人から5万5,000人ぐらいなので、我々としては、サブディストリクト、小地域と呼ぶこともあります。フェーズ2は2008年から2010年ですが、予算は222万米ドルとなっております。マンダルの数は136であります。一般人口の数は680万人となります。

図2(図2)

フェーズ3が2010年4月から2012年です。予算としては511万米ドル、マンダルの数としては202、新規に66カ所のマンダルが加わりました。一般人口は1,010万人です。

これが障害者のためのプロジェクトの財政に関する概要になります。

次にプロジェクトのスタッフですが、インディラ・クランティ・パサムと農村貧困撲滅協会には最高経営責任者(CEO)がおり、その下に障害者プログラムがあって、州のプロジェクト・マネージャーがいますが、1人はスダカラ氏です。ここに参加していらっしゃる皆さんもご存知の方があるかと思いますが、彼は車いすを使っていて、25年間、障害者のために仕事をしてきています。また、プロジェクト上級役員もいます。私もプロジェクト上級役員の1人です。

アンドラ・プラデシュ州には、23のディストリクト(地域)がありますが、それぞれに1人のディストリクト・プロジェクト・マネージャーを置いています。さまざまなディストリクト・プロジェクト・マネージャーやプロジェクト・マネージャーがいまして、障害のディストリクト・プロジェクト・マネージャーですとか、女性グループ、所得創出などのプロジェクト・マネージャーがいます。私は障害プロジェクトの上級役員です。ディストリクト・プロジェクト・マネージャーがいない場合は州のプロジェクト・マネージャーがディストリクトのプロジェクトを担当します。

次に、サブディストリクト(小地域)レベルには、コミュニティ・コーディネーターがいます。77人の人がコーディネーターをやっています。それから地域開発ワーカーがいます。この人たちは草の根レベルの仕事をしているのですが、私は、340人の障害をもっている人たちがワーカーとしてコミュニティのために仕事をしていることを誇りに思っています。

組織体制

これ(図3)がコミュニティに根ざした組織の構成図となっています。左側に「女性による地域に根ざした組織」があり、「ジャディス」、「MS(マンダル・サマキヤス)」、「VO」と呼ばれています。「ジャディス」とは「ジェラ・サマキヤス」のことで、地域レベルの女性グループの執行組織をいいます。

図3(図3)

「MS」というのがサブディストリクト・レベルの女性グループの執行組織です。「VO」は村落レベルの組織です。右側ではご覧のように障害者の草の根レベル、自助グループの組織作りが行われています。それぞれの自助グループには代表がおり、その連合組織は「マンダル・ビカランガ・サマキヤス」と呼ばれています。この下に「ジェラ・ビカランガ・サマキヤス」という地域レベルの障害者の人たちの執行組織ができています。自助グループというのは、女性グループのメンバーでもあります。自助グループは村落組織として連合体を形成しています。つまり、女性の自助グループも障害者の自助グループもともに連合して村落組織を構成しています。また全ての女性の村落組織は連合してMS(マンダル・サマキヤス)となります。サマキヤスでは、障害者のマンダル・ビカランガ・サマキヤスもまたマンダル・サマキヤスのメンバーです。またジェラ・サマキヤスは地域レベルの執行組織ですが、ジェラ・ビカランガ・サマキヤスの代表もまたジェラ・サマキヤスのメンバーです。

CEOとかSPMと言われるベテランのスタッフがいます。また、ディストリクト・レベルのプロジェクト監督官(プロジェクト・ディレクター)がいて、すべての女性のグループ、障害者のグループ、その他の社会的弱者のグループを統括しています。ディストリクト・レベルの制度における長ということです。次に、さまざまなDPM(ディストリクト・プロジェクト・マネージャー)がいますが、障害者がDPMになっているところもあります。DPMは財務、あるいはマイクロファイナンスなどの運営にあたっています。そしてそれ以外にもプロジェクト・マネージャーはさまざまな課題に対応しています。

サブディストリクト・レベルには、CC(コミュニティ・コーディネーター)という人たちがいます。草の根レベルにはCDW(地域開発ワーカー)という人たちがいます。各サブディストリクトにはそれぞれ3人の地域開発ワーカーがいますが、この人たちは障害のある人たちです。

活動内容

さて、主要な介入についてですが、1つは社会的な動員および障害者・介助者のための制度づくりです。そして2番目が生計の支援。3番目が地域に根ざしたリハビリテーションによるサービス。そして4番目が、インクルーシブな活動を行うために、保健とか教育の出先機関の統合を促進するということです。

さて、制度の構築についてですが、まずは村落レベルで障害者のみの自助グループを結成し、次にサブディストリクトで連合させます。地域開発ワーカーと呼ばれる草の根レベルのファシリテーターがいます。マンダルレベルのコーディネーター、ディストリクト・レベルのプロジェクト・マネージャーなどもいます。それ以外に能力開発の支援活動があります。障害の啓発とか組織、財務管理、簿記、障害者法などに関しての能力強化を図るという活動をしています。

この写真(写真1)は村落レベルの自助グループが会合をしている写真です。これはいわゆる社会的動員および制度の構築のための活動になります。自助グループはこういうふうにして活動しています。会計を記録します。みな、身分証明書を持っています。話し合いの内容、お互いに相手の言うことを聞いたり意見交換したことについての議事録を書きます。自助グループでは決定についても、お互いにお金を融資し合ったりしたことについてもすべて記入します。真ん中の人は地域開発ワーカーとしてコミュニティの活動を円滑にしています。そしてコミュニティの自助グループの代表になったり、あるいは簿記をつけたりしています。

写真1(写真1)

支払い等も会計簿に記入されます。こういうような活動が自助グループの中で行われています。

自助グループですが、障害者の自助グループは大体8人から15人ぐらいで形成されています。知的障害者、身体障害者、視覚障害者、聴覚障害者などあらゆる種類の障害者が参加しています。知的障害者の場合は親が子どもの代理として参加します。

週に1回会合を開き、グループ内で貸し付け活動をしたり、問題を話し合って共有し、解決策を図ります。また、自分のリハビリテーションのニーズについて話し合ったり、村の発展のために社会問題に取り組んだりします。また、予防接種であるとか、あるいは清掃作業であるとか、あるいは飲料水の確保の問題であるとか、そういうような問題にも取り組むわけです。これらが自助グループの活動です。

次に制度構築という活動ですが、これ(写真2)はサブディストクリト・レベルの連合組織の様子です。高嶺先生が一度おいでになったことがあります。このサブディストリクト・レベルの自助グループ連合は平均メンバー数が450人から700人ぐらいで、月に1回、代表総会が行われます。実行委員会の会合は月に1回です。そして、この実行委員会の下に、4つの機能別委員会があります。もちろん私たちのスタッフ、例えば地域開発ワーカーであるとか、あるいはコミュニティ・コーディネーターも参加します。それらの活動すべて、コミュニティが主体的に行っています。

写真2(写真2)

4つの委員会の1つは自助グループ強化委員会です。この委員会は、自助グループに研修を行ったり、何か自助グループに問題があると、この委員会が村に出向いて問題解決にあたります。

それから2番目がリハビリテーション委員会です。このリハビリテーション委員会は、障害者のアセスメントを行います。何が必要なのか、例えば特別支援教育が必要なのか、あるいはアセスメントが必要なのか、あるいは特別なトレーニングが必要なのか、そういうことを査定するわけです。

こういうことをやるのがリハビリテーション委員会です。1人の人が責任者ということで、他のメンバーがそのアシスタントです。

それから、生計委員会というのがあります。商業銀行の頭取、省庁の高官、地域の役員などと一緒にミーティングを開いて、政府の融資やプロジェクトを立ち上げてコミュニティに引き渡すのです。これが委員会の責務ということになります。

また、社会活動委員会があります。これは社会的な問題を解決するための委員会ということです。障害者の権利のために活動し、障害者法を促進するためのプログラムなどを立ち上げて実施します。

アンドラ・プラデシュ州ではすでに128の連合が設立されています。およそ8万人の障害者がそのメンバーとして参加しております。これが私たちの活動です。実績(図4)ですけれども、これまで、7,695の障害者自助グループが結成されました。そしてまた8万901人がグループに動員された障害者数です。それから、サブディストリクト・レベルの設立連合数は128、そしてディストリクト・レベルの連合設立は3です。今年、来年と他の地域にも拡大していきます。

図4(図4)

これは年次総会の様子です。国際障害者デーに開いたディストリクト障害者連合の集会ということで、8,000人から1万人の障害者の人たちが、このイベントに動員されました。そしてご覧のように(写真3)、世界の障害プログラム、また年次総会ということで、マンダルの所属の障害者が出席しました。8,000人から10,000人のマンダル関係の人たちが出席し、諸問題について話し合い、また解決策を探り、そしてまた、いろいろなメンバーとの間で意見交換を行い、さらに、銀行に対しても働きかけます。障害者の人たちの支援になるように、ということです。そして円滑化を図るということです。また、文化活動も行われています。

写真3(写真3)

能力開発と研修事業

これ(写真4)は能力開発です。先ほどお話ししたベンキーさんという人が教育訓練をしてくれています。これ(写真5)は年間予算を話し合っているところですが、地域で行う活動のためには年間の予算計画が必要です。サブディストリクト・レベルの連合でもこうした教育訓練が行われています。

写真4(写真4)

写真5(写真5)

それから地域に根ざしたリハビリテーションのサービスが行われています。マンダルレベルで証明書に関する多目的なキャンプを実施します。また栄養失調・栄養不良の障害者に対して栄養ある食品を支給しています。また重度の障害者に対してのスキルトレーニング、言語に関しての技能の強化、そしてまたその介助者の能力の強化も行っています。これらについては午前中にチャパルさんからもお話しがありましたね。そして社会資本の創造ということで、草の根レベルのワーカーの訓練も研修しています。アンドラ・プラデシュ州でプログラムをスタートしたときは、非常に少数のCBRワーカーしかいませんでした。でも今、アンドラ・プラデシュでは、2,500人の地域ベースのリハビリテーションワーカーがいます。彼らは州内のどこにでも行きますし、どこでも障害者とともにプロジェクトを始めることができる体制が整ってきました。

リハビリテーション・サービス

こちら(写真6)はリハビリテーション・サービスですが、リハビリテーション・サービスでは矯正手術を行います。ある日、1人の父親が、自助グループにやってきました。男の子に手術と補助具を希望していました。しかし手術をした後に、理学療法、リハビリテーションは行われませんでした。そこで両親からの相談を受けた結果、今はこのようにクラッチを使って歩行できるようになっています。ということで、男の子は現在5年生で、学校で勉強しています。

写真6(写真6)

これ(写真7)は、マノプラガティのリハビリテーションデイというプログラムです。この女性ですけれども、特別支援教育および早期介入を行っています。これ(写真8)はマンダルにあるリハビリテーション近隣センターです。このような装具を提供しています。活動の前や後に矯正手術を行っています。

写真7(写真7)

写真8(写真8)

それからまた、特別支援学校が、精神そして知的障害者に対しても用意されています。また同じマンダルに近隣センターも用意されました。それが私たちにとっての主な施設になります。

これ(写真9)はアサラというところで、この女性ですが、かつて路上生活をしていました。左がリハビリテーション前で、右はリハビリテーション後ということで、彼女は今、この施設の中で生活し、そして非常にいい状況になっています。

写真9(写真9)

これ(写真10)は、三輪車いす、カリパーや医療用装具靴を受け取った人たちです。また生計手段として機織りをしたり乳牛を飼ったりしています。また衣服を縫製なども、政府の訓練として行っています。

写真10(写真10)

さらに、意識づけということで、すべての地域社会に対して、予防接種の重要性、それからまた障害者の権利の重要性についての啓発を行っています。

 

ご清聴ありがとうございました。

高嶺 どうもありがとうございました。時間の制限があって、もっといろいろお話ししていただきたいと思っていたんですけれども。こういう形で、南インドのアンドラ・プラデシュでは、大々的に障害者の自助グループ、これは女性の自助グループ、貧困女性の自助グループのプロジェクトの中で、障害者のグループも立ち上げて、こういう状況まで今持ってきているということで、即、注目されるプロジェクトじゃないかと思います。

このことに関してできれば質問を1つか2つを受けて、彼のプレゼンテーションを終わりたいと思うのですが、いかがでしょうか。

少し、今、スライドでお話しできなかったところがあると思うのですが、今の自助グループができて、それの効果と言いますか、もう少しお話ししていただきたいと思うのですが、よろしいでしょうか。お話がしきれなかった、多分もう少し前のスライドでありましたよね。時間の関係で、あまり説明できなかったもの。最後の2枚ほどのスライドで、自助組織の効果ということです。

達成したこと

ラジャ サンプルフォーカスグループ・ディスカッション、および地域社会の住民とプロジェクト関係者のオープン形式のインタビューを通して、パイロットマンダルでは次のような傾向が確認されました。つまり、政府機関、政府提供のサービス、その他の権利・資格などへのアクセスが改善されました。さらに、以前とは異なり、自助グループができたことで、それを通して融資を受けやすくなったことで、いろいろなレベルでの教育が受けられるようになりました。また、非常に適切な生計手段のおかげで自立が可能になり、家族もまた、障害者の貢献から恩恵を受けています。障害者の自尊心と自信が高まっています。社会的な差別が減りました。さらに、障害、障害者に関しての近隣住民の意識づけが向上しました。また、軽度、中度、重度の障害者が直面する問題の住み分け・区別化ができました。それから、重度障害者の抱える教育問題が明確化されました。そしてそれらの問題を解決するようにという要求を表明しました。女性障害者は、すべての障害者、また他のグループの中で最も立場が弱い存在であるということが認識されました。MVSはこの障害者に対しての問題を明確に述べることができるようになりました。こういったことが活動の成果として、生じています。

 

高嶺 2003年から始まったプロジェクトですけれども、現在、評価のプロセスが進んでいるということを聞いています。その中でこういうことが効果として現れているのではないかということであります。ではこれでラジャさんのプレゼンテーションを終わりたいと思います。どうもありがとうございました。