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■  主催者あいさつ

内閣府大臣官房審議官 齋藤敦


「アジア太平洋障害者の十年(2003~2012年)」中間年記念シンポジウム、アジア太平洋における日本の障害者支援活動の開催に当たり、ご挨拶を申し上げます。

本年は、平成15年から開始されたアジア太平洋障害者の十年の中間年に当たります。アジア太平洋の十年に合わせて我が国の障害者基本計画、平成15年から24年までの10か年の基本計画を立てていますが、その中間年にも当たる年です。この間、我が国の障害者施策は、障害の有無にかかわらず、国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会の実現を目指し、雇用、福祉、教育等の様々な分野における施策を充実してまいりました。

我が国においては、障害者施策の一層の推進を図るために、現在の障害者基本計画の後半の5か年において重点的に実施する施策を盛り込んだ新たな実施計画を策定すべく、現在作業を進めているところです。

我が国の目指す「共生社会」という考え方は、「アジア太平洋障害者の十年」の行動計画である「びわこミレニアムフレームワーク」及び去る9月に採択された「びわこプラスファイブ」の目指す「インクルーシブでバリアフリーな、かつ権利に基づく社会」という基本理念と共通するものであると考えています。

我が国は、アジア太平洋地域全体において、この共生社会の理念が実現されるように、引き続き積極的に様々な面での国際協力を進めてまいりたいと考えています。

国際協力においては、相手国の実情やニーズを十分把握するとともに、各国の文化を尊重し、様々なニーズに応じて柔軟に対応していくことが求められています。

本シンポジウムは、アジア太平洋地域において障害者の皆様に対する様々な支援活動をされてきた団体の方々から現地の障害者の地域生活、就労に対する取り組みの現状をご紹介いただくとともに、今後の実情に合った支援活動の在り方について、ご助言、ご提言をいただく非常に貴重な機会です。こうした機会を通じて、政府、関係者間の緊密な情報交換が図られ、我が国の国際協力がより効果的に展開されることも期待されます。

本日の開会に至るまでの諸準備については、関係の皆様に多大なご尽力をいただきました。ここに、改めて御礼を申し上げるとともに、本日のシンポジウムが、実りあるものとなりますよう心から祈念いたしまして、開会の挨拶とさせていただきます。

■  主催者あいさつ

財団法人 日本障害者リハビリテーション協会会長 金田一郎


障害者週間の一環として開催します国際セミナー「第二次アジア太平洋障害者の10年中間年プログラム」にご参加をいただき、心からお礼申し上げます。

昨年2006年12月に国連障害者権利条約が採択され、国際的に障害を取り巻く動きはめまぐるしくなっていくものと思います。さらに、アジア太平洋地域では、2007年は第二次アジア太平洋障害者の10年の中間年にあたり、アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)は、9月にハイレベル政府間会合を開催し、後半5年の戦略のための文書である、びわこプラスファイブを採択しました。障害者の権利条約、およびびわこプラスファイブでは、開発に障害を組み入れる開発への障害のインクルージョンが大きな課題として取り上げられています。これは既存の開発計画に障害者が恩恵を受けられるような計画にすることで、国連でもESCAPでも、今後取り組みが強化されることが予想されます。

このような動きを受け、今回の国際セミナーは「アジア太平洋障害者支援活動―現場での経験から得たこと」をテーマに、講師には、「難民を助ける会」の加藤美千代さん、日本点字図書館の田中徹二さん、厚生労働省の中村信太郎さん、「シャンティ国際ボランティア会」の秦辰也さん、「ハンディキャップ・インターナショナル」のベンジャミン・ゴビンさん、ファシリテーターには、日本発達障害福祉連盟の沼田千妤子さんをお迎えすることにしました。皆さんからは現場での貴重なご経験をお話しいただけるものと思います。

わが国の障害分野での国際協力は、JICAや国際協力銀行による政府開発援助だけではなく、民間でもさまざまな協力活動が行われています。障害分野の国際的な動きの中で、今後、国際協力のあり方、方法も問われることになるでしょう。本日のセミナーから参加された皆様方が何らかの示唆を得ていただければ、主催者としては幸いと存じます。

なお、本国際セミナー開催にあたりまして、共催である内閣府、およびご後援を賜りました独立行政法人福祉医療機構に心から感謝を申し上げまして開催のあいさつとさせていただきます。