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JANNET研究会
ポストMDGsと障害で話題の「障害インクルーシブな開発とは?」報告書

◆来賓ご挨拶

独立行政法人国際協力機構 人間開発部社会保障課課長
合澤 栄美

今西 それでは、後援団体からご挨拶をいただきます。まずはじめに独立行政法人国際協力機構(JICA)人間開発部社会保障課課長の合澤栄美様、ご挨拶をよろしくお願いいたします。

合澤 ご紹介どうもありがとうございます。皆様おはようございます。本日はこのような研究会にお招きいただき、またこのようにご挨拶をさせていただく機会を頂戴いたしまして本当にどうもありがとうございます。JICAで障害と開発関連の事業を担当しております社会保障課の合澤と申します。

先日、JANNETさんのウェブサイトに掲載されています参加団体のリストを改めて拝見させていただきました。そういたしましたら長年にわたってJICAを支援してくださっている団体や、草の根の協力事業のパートナーとしてご支援いただいている団体がずらりと連なっていまして、リストを見ながら日頃お世話になっている皆さんのお顔、一緒に実施してきた事業などが次々に思い浮かびました。ですので、本日こちらに参加することを大変楽しみにして参りました。

JICAはインクルーシブな開発をビジョンに掲げています。私たちにとって障害の有無にかかわらず、誰もが地域社会で社会活動に平等に参画できる、そういう社会をつくっていくこと、実現していくことは大きな課題となっています。

関連の事業としていろいろなものがございますが、皆さんよくご存知だと思うのですけれども、例えば一番実績があって歴史の長いのはボランティア事業です。1960年代から障害関連の職種で2000人以上のボランティアの方が活動してきています。またここにいらっしゃる団体の皆さんのご協力をいただきながら80年代からは日本での研修も行ってきまして、途上国の障害者リーダーや、その支援者の皆さんに主に来ていただきました。また世界各国で技術協力のプロジェクトも実施してきています。

このように様々な協力を行ってきている訳ですけれども、私たちはその中で開発事業における障害のメインストリーミング、それから障害者自身や当事者団体のエンパワメントを事業の柱として掲げています。これまでの経験から途上国、日本、双方の障害当事者がこのプロセスに参画することが本当に大切だと思っていまして、当事者主体のアプローチを大切にしてきています。このような私たちの考え方というのはJANNETの皆様と共通するところが多いと思います。私たちが事業をやっていく中で、まだまだ十分ではないところがたくさんありまして、課題もたくさん抱えています。ですので、今日のような勉強会を通じてインドや日本で実施されている事業を勉強させていただきたいと思っていますし、今後も聴講、意見交換、事業レベルでの連携を皆様と続けていくことができればと考えています。

本日はJANNET設立20周年をお祝いする機会でもあるとのこと、おめでとうございます。本日の研究会での活発な議論とJANNETのますますのご発展をお祈り申し上げます。本日は最後まで参加させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。

今西 合澤様、ありがとうございました。

◆来賓ご挨拶

NPO法人国際協力NGOセンター事務局長
山口 誠史

今西 それでは、NPO法人国際協力NGOセンター事務局長の山口誠史様、よろしくお願いいたします。

山口 皆さん、おはようございます。ご紹介いただきました国際協力NGOセンター(JANIC)事務局長の山口です。JANNET20周年を記念した研究会にお招きいただきまして誠にありがとうございます。

JANICは国際協力NGOが作りましたネットワークNGOですが、現在正会員・協力会員合わせて120のNGOが加盟しています。この120のNGOの中には環境分野、教育分野、保健医療分野、あるいは人権、子どもの保護など様々な専門性をもった多様なNGOが参加しています。JANNETさんはJANICのメンバーの中でも障害分野で活躍されている有力なNGOであります。

JANNETメンバーとして本日出席していらっしゃいますワールド・ビジョン・ジャパンさん、難民を助ける会さん、シャプラニールさんなどは、JANICのメンバーでもあるという少し複雑な関係ではありますけれども、いずれにしましても多様な分野で専門性をもっているNGOが互いに協力し合い、そしてJANICの理念である平和で公正で持続可能な社会を実現するために共に力を結集する。そういう意味で障害分野で活躍されているJANNETさんは、私たちにとって非常に重要な存在であると考えています。

JANNETさんはこの20年間にわたり、先ほど松井先生からもお話がありましたようにCBRの考え方を日本の中で普及させていくこと、あるいは開発の中に障害という考え方を入れていくことに非常に大きな貢献をしてくださいました。現在JANICではMDGs(注:ミレニアム開発目標)が重要な提言イシューとなっています。2015年までに貧困の半減を含めた様々な格差を改善していくということで世界が約束したMDGsですが、現在、2016年以降の開発課題をどうするのかということが議論されています。その中でJANNETさんは現行のMDGsではあまり重要視されていなかった障害問題をもっとポストMDGsに組み込むべきだということを主張されています。そして実際に国際社会の中でも障害問題を積極的に取り上げていこうという機運が盛り上がっています。

このように私たちの仲間の中で貢献されてきたJANNETさん。同じ理念を実現するための様々な仲間の一つとしてこれからもますますご発展いただき、そして私たちと共に市民社会を強化し、それによって豊かで差別のない平和で公正な社会を実現できることを願っております。

今日このような形でご挨拶させていただきましたことを心より感謝すると共に、この会をきっかけとして互いに学び合いのできることを希望しております。どうもありがとうございます。

今西 ありがとうございました。