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報告書 英国ソーシャルファームの実地調査報告会

閉会挨拶

野村 美佐子
公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会 情報センター長

私の閉会の挨拶として、私も今回、英国の実態調査に同行させていただきましたのでそのことについて簡単なコメントを最後にさせていただきます。

英国は、ソーシャルファームというよりは、ソーシャルエンタープライズの形の中で大きくとらえていく方向なのかなと思っております。その中でもちろん、ソーシャルファームというのは、その1つでありますので、大きくとらえていただいた方が、もしかしたら国からきちんとお金をもらえるとか、もっと援助されるとかがあるので、そういった方向に向いているのかなと思いました。政府による最近の推定では、約7万社のソーシャルエンタープライズがあり、およそ100万人が雇用されているそうで、確実に増えていっているようです。このような統計は、どこから持ってきたかというと、炭谷先生や寺島先生がおっしゃっていましたが、ソーシャルエンタープライズUKからです。私はソーシャルファームUKの方とは、私どもの過去のセミナーを通して何度かやりとりをしてきましたが、今回の調査では、ソーシャルファームは、ソーシャルエンタープライズUKに属するソーシャルファームとして生き残っていくという戦略を立てているように思いました。しかし、そうすることで障害があってもなくても一緒に働ける場を作り出していけるのではないかとも思いました。それから社会的大義、社会的な目的ですが、それはソーシャルファームもソーシャルエンタープライズも同じではないかと思います。

また、ソーシャルエンタープライズUKの調査の結果でおもしろかったことは、ソーシャルエンタープライズは、女性のリーダーが多いという結果がでていたことです。これは、いかなる状況でも女性は、時代に合わせてフレキシブルになれるのではと思いました。

それから王立スコットランド銀行という大手銀行の調査結果によると、若者は一般の人よりも社会的な目的を持ってソーシャルエンタープライズを立ち上げたいと考えている可能性が高いとのことです。つまり、先ほどのブリストル・トゥギャザーのポールさんのような方々が英国では、続々これから出てくるのではないでしょうか。日本においては、古い方々の経験を生かしながら、若い方に頑張ってもらえるソーシャルファームであってほしいと思っております。

最後になりましたが、いつも情報保障を私どもではさせていただいておりまして、今回、聴覚障害者がいらっしゃらなかったのですが、要約筆記をスクリーンで提供させていただいておりました。皆様の視線を見ていると、意外に「見ているな」という気がしたのでとても皆様の役に立っていたのではないかと思いました。最後に講師の皆さま、今回支援をいただきました東京都民共済生活協同組合、そしてここを支えてくれた要約筆記の方々に感謝申しあげまして、閉会とさせていただきます。ありがとうございました。