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[米国]議員メンバーがウェブサイトのアクセシビリティー訴訟の流れを止める措置を促す手紙を司法長官に送付

テッド・バッド(Ted Budd)議員とJ.ルイス・コレア(J. Luis Correa)議員が率いる103人の下院議員超党派議員連盟は、ADAタイトルⅢを根拠に民事訴訟が増えていることに対して、ジェフセッションズ(Jeff Sessions)司法長官に改善を求める手紙を2018年6月18日付で送りました。

その手紙によれば、近年、インターネットの発達に伴い、ウェブサイトがアクセシブルでなく、ADAに違反しているとして、民間人が企業を訴える判例が増えていおり、それが、全米の企業の脅威になっている。多くの訴訟は、金銭目当てで、ウェブサイトのアクセシビリティの向上につながっていない。カルフォルニア中央地方裁判所におけるドミノピザ対ロべルズ判決で指摘されたように、司法省は、ウェブサイトのアクセシビリティに関する明確な指針を作成すべきであるとしています。

手紙の原文(英語)は、以下のサイトにあります。

https://www.adatitleiii.com/wp-content/uploads/sites/121/2018/06/ADA-Final-003.pdf

日本語訳(仮訳)は、以下のとおりです。

セッションズ司法長官宛の手紙

2018年6月20日

ジェフ セッションズ 

アメリカ合衆国司法長官閣下

アメリカ合衆国司法省

950 Pennsylvania Ave NW

Washington, DC 20530-0001


信愛なるセッションズ司法長官殿、


わが国に貢献していただいていることにまずは感謝を申し上げます。障害のあるアメリカ人法(以下、ADA法)の下でウェブサイトのアクセシビリティに関して、指針や明瞭さを与える司法省への支持を表明するために本日この手紙を書いています。

ADA法の適用については、最近いくつか判決が示されましたが、ウェブサイトのアクセシビリティへのADA法の適用への法的権限が曖昧です。このような状況で米国内のあらゆる形態・規模の企業においては、ADA法の根拠がはっきりしていない違反について、民間の原告人による法的行動の脅威にさらされています。インターネットによりこのような行為をどこからでも可能になったことから、この問題は急速に広がっており、このような申し立ての規制や制限が野放しの状況です。

応じなければならない申し立てには必要条件がないので、この問題に対する法律、規則、其の他の調整する言語がないことが、これらの訴訟の急増に拍車をかけているのです。事実、多くの場合、金銭的な和解を目的とする訴訟であり、ウェブサイトのアクセシビリティの改善には、ほとんど又は全くなっておりません。

ADA法の本来の精神や意図は支持します。しかしながら、ウェブサイトのアクセシビリティの基準を定義するルールを書くという取り組みを司法省が放棄しているだけでなく、ウェブサイトに対するADA法の適用性について未解決の問題が、我が国の企業やその顧客に直接影響する責任危機を生み出しているのです。

ウェブサイトのアクセシビリティに関する具体的な基準を設けるという司法省による明確な法的な根拠のない状態では、ウェブサイトに関して、ADA法の下での個人の法的行動は不公平であり、基本的な正当な法の手続きの原則を破るということを司法省は、今、公に言明する措置を講じることが非常に重要です。我々はドミノピザ対ロベルズ判決におけるカリフォルニア中央地区裁判所に同意します。そこでは「成功規範の一定のレベルを明記すること無しに、また司法省のこの話題への意味のあるガイダンス無しに、全ての規定された人や実在する物にWCAG2.0ガイドラインを遵守するという要求を課す…………正当な法の手続きに反する。」と考えたのです。さらにADA法に対する申し立てを却下するとして裁判所は以下のように述べました。

当法廷では、タイトルIIIと司法権に対する影響を受ける障害者コミュニティの利益のために、議会、司法長官、及び司法省に対し、ウェブサイトのアクセシビリティの最低基準を設定する措置を講じることを要求することを結論づけた。

法律を制定する過程を通じて、議会はより明瞭にする役割を果たすことが重要です。しかし一方で、企業を不確かな法律の文言や司法省からの適合性の曖昧な基本的な方針によって生じる訴訟の危険にさらすのは不公平で破壊的であります。我々はこの状況を早急に解決する手助けをしてくださるよう謹んで強く要請します。

最後に、米国への貢献に改めて感謝を申し上げます。司法長官の返事をお待ちしています。

敬具

以下議員の署名(省略)