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CBID研修プログラム開発事業2016年報告書

1.はじめに

この冊子は、2016年度に日本財団のご協力を得て、公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会が実施した、「CBID*研修プログラム開発事業」の報告書です。

当協会は、2015年に、CBRアジア太平洋ネットワーク、障害分野NGO連絡会(JANNETとともに第三回アジア太平洋CBR**会議を共催しました。一方、世界保健機関(WHO)、国際労働機関(ILO)、ユネスコ、国際障害開発コンソーシアム(IDDC)は、CBRの実務的提案を発表したCBRガイドラインで、CBRの目的はCBIDであると明記しました。それを受けて当協会は、国内でCBIDに近い実践を行っている事例を集めて国内CBID事例集を日本財団のご支援により作成しました。

その延長線上で、CBIDの考え方がさらに国内の他の地域にも広がることを願って、2016年度「CBID研修プログラム開発事業」を日本国内3つの地域(中山間地域:富山県入善町(NPO法人工房あおの丘)、地方都市:松本市の新村(にいむら)地区、中核都市:名古屋市(一般社団法人しん))にてワークショップを実施しました。

*CBID=Community-based Inclusive Development
**CBR=Community based Rehabilitation

本事業は地域診断から始まり、説明会、プレ研修を経て、3つの地域で各実践主体による本番のワークショップが行われ、一連の活動の総括として振り返りの会を開催しました。研修の中心となるのは、名古屋の一般社団法人草の根ささえあいプロジェクトとNPO法人起業支援ネットが7年間にわたり開発実施し、個人ができることを出し合うという「できることもちよりワークショップ」です。

本報告書では、3実践主体の報告や研修後の波及効果を盛り込み、さらに国内外の動きの視点に基づいてこの事業の意義と思われることを記しました。本事業の結果、実践者自身や地域にどのような変化をもたらしたのかについてまとめましたので、ご高覧いただければ幸いです。

本事業に多大なご支援をいただいた、日本財団、3実践主体の皆様、企画にご協力いただいた大塚晃様(上智大学教授)、林早苗様(東京女子大非常勤講師)、企画並びに本事業のスーパバイザーとしてご協力いただいた鈴木直也様(NPO法人起業支援ネット副代表理事)、研修講師の渡辺ゆりか様(一般社団法人草の根ささえあいプロジェクト代表理事)には心から感謝申し上げます。

この報告書が、地方創生、地域包括ケア、地域福祉に携わる方々や障害のある人を含む脆弱な状況に置かれた人たちが地域に結びつくためのヒントを得たいという方、さらに国際協力に関わる方にもお役に立てば幸甚でございます。

公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会
会長 炭谷 茂

2017年3月末