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地域に根ざした共生社会の実現 CBID事例集

はじめに

2015年9月1日から3日まで東京で開催予定の第三回アジア太平洋CBR会議(以下、CBR会議)にあわせて、コミュニティでの実践を紹介する事例集を作成しました。

1980年代からWHOにより実施されてきたCBR(地域に根ざしたリハビリテーション)は、国連障害者権利条約(2006年制定)の影響を受け、2010年にCBRガイドライン(WHO, ILO、UNESCO等)により、CBRの目的はCBID(Community-based Inclusive Development)であることが明記されました。CBIDとは排除される人を出さないことであり、地域に根ざした共生社会の実現を意味しています。また新アジア太平洋障害者の十年の枠組みであるインチョン戦略においても、全体にかかわる政策方針のひとつにCBIDが明記されています。

CBRアジア太平洋ネットワーク(事務局はアジア太平洋障害者センター、バンコク)ではアジア太平洋地域でのCBIDの事例集を作成し、今年のCBR会議で参加者に配布することになりました。それに呼応して、日本国内のCBIDの事例集を作成しました。地域でのさまざまな課題の解決に、障害のある人が中心にいて、地域社会と障害のある本人の変化を引き起こしている実践紹介です。

2015年9月の国連総会では、ポスト2015の新たな開発の枠組みが採択されます。テーマとなる概念は、「誰も取り残さない」です。その実現のためにも、この事例集が、障害のある人たちが他の人びとと平等に包摂される好事例として、国内の地域福祉および国際協力における障害インクルーシブな開発の実践をすすめる上で、ご参考になれば幸いです。

事例集作成にあたり、ご協力いただいた障害分野NGO連絡会(JANNET)、CBRアジア太平洋ネットワーク並びにアジア太平洋障害者センター(APCD)の皆様に感謝いたします。また制作上、ご支援いただいた、実践者および訪問・執筆者の皆様、企画において多くのご助言をいただいた鈴木直也様、マヤ・トーマス様、高嶺豊様、河野眞様に心からお礼申し上げます。さらに作成にあたり、日本財団からご支援をいただきましたことに感謝申し上げます。

多くの皆様にご高覧いただければ幸甚でございます。

公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会
会長 炭谷 茂
2015年3月末