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地域ささえあいネットワ-ク作りに向けて
-CBRセミナー・ワ-クショップ-報告書

司会 皆さん、こんにちは。本日は何かとお忙しい中、CBRセミナー・ワークショップにお越しいただきありがとうございます。それでは定刻となりましたので、ただいまから、「地域ささえあいネットワークづくりに向けて-CBRセミナー・ワークショップ-」を始めさせていただきます。本日司会を担当させていただきます、基幹相談支援センターけんなんの大河原と申します。よろしくお願いいたします。

それでは配布しました資料の裏側のプログラムに沿って進行させていただきたいと思います。開会に当たりまして、白河市地域自立支援協議会および西白河地域自立支援協議会就労支援部会長であります県南障がい者就業・生活支援センターの鈴木幹也よりあいさつを申し上げます。

◆主催者挨拶

鈴木 皆さん、こんにちは。今日はお天気の悪いところ、皆さんに来ていただいて本当にありがとうございます。

普段、毎月定例でやっております白河地域と西白河地域の自立支援協議会就労支援部会の方に、こころんさんを通じて今回のセミナーのお話がありました。その中で我々は普段は就労支援を主に行ってはいますが、地域にはいろいろ困っている方がたくさんいるということで、今後、我々の就労支援にもいろいろ活かされることもあるのかなということで、全員一致で今回のセミナーを共同で開催させていただくことになりました。

今日のセミナーは2段階になっています。まず最初はマヤ・トーマスさんの講演。そして、地域のほうの支援のネットワークをどう作っていくかというふうになります。ちょっと長時間になりますが、皆さん、今日も協力して一緒にやっていきましょう。よろしくお願いします。

司会 ありがとうございました。

◆ご挨拶

司会 続きまして、公開のセミナーをこの県南地域で開催することになりました、そのつなぎをしていただきました、社会福祉法人こころん施設長熊田様よりご挨拶をいただきます。よろしくお願いいたします。

熊田 皆さん、こんにちは。CBRセミナーと言われても、たぶんピンとこない方が多いと思いますが、詳しいことは主催者の上野さんのからお話しいただけると思うのですけれども、CBRで行われていることというのは、私たちが日々実践していることと全く同じです。

実はこころんにも海外からもいろいろな方が見学に来られます。私もCBRセミナーや研究会等にも参加することがありますが、あまり言葉はわからないのですが、自分たちのやっている日常的な活動と大きく結びついているし、全く同じだと思うことがたくさんあります。

海外、特にアジア・太平洋地域では日本のようなきちんとした制度が整っていませんので、昔の日本のように、家族や地域の人がお世話をしているというような状況がたくさんあるようです。

また、日本から海外へ支援に行っている方もたくさんおりまして、今日はそういう方たちも参加されているようです。私は2年前にインドでおこなわれたCBRセミナーに参加したことがありますが、今日はその時お会いした方がお二人にお見えになっています。久しぶりに元気でお会いできてとても嬉しかったです。

今回は、はるばるインドからマヤ・トーマスさんがお見えになり、また、草の根ささえあいプロジェクトの渡辺さん、それから二ノ宮さんと佐野さんはタイのバンコクにある、アジア太平洋障害者センターの事務局から来ていただいています。こういった国際的な会議がここ白河で行われるというのは、夢のような奇跡的なことだと思うのですけれども、これも縁だと思いますし、私たちはこれからこの地域のネットワークをどういうふうに作ろうかとか、どうやってこの地域の福祉を彩っていくか、どう作っていくかということをこれからみんなで考えたいという願いがあったので、こういうことが実現したんだろうと思います。

今日は、参加者は少ないですけれども、私が参加して欲しい方が全員参加していただけたので、中身の濃い充実した会になると思いますので、よろしくお願いします。

司会 ありがとうございました。

◆セミナー趣旨説明・講師紹介

司会 それでは主催であります、公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会国際部長の上野様よりセミナーの趣旨説明と講師紹介をお願いいたします。

上野 皆さん、こんにちは。ただ今ご紹介いただきました日本障害者リハビリテーション協会(以下、リハビリテーション協会)から参りました上野悦子と申します。本日は白河市地域自立支援協議会と西白河地域自立支援協議会就労支援部会の皆様には大変ご協力いただきまして、このようなセミナーをここで開くことができましたことを大変喜んでおります。また、こころんの熊田さんには以前からお付き合いさせていただいて、今日の企画のところでも大変大きなご協力をいただきましたこと、心から有難いと思っております。

リハビリテーション協会では、1990年の初めごろから途上国で行われているCBR(Community Based Rehabilitation 地域に根ざしたリハビリテーション)の良い活動に対して支援していこうということで進めて参りました。インドネシアでCBR創始者ワークショップが開かれて、それに支援したりということで、そういう方針をもって参りました。そして2006年ごろから、海外で行われているCBRで著名な方を日本にお招きしてCBRセミナーを開催して参りました。同時に、日本の中でも地域で特に大変興味深い素晴らしい活動をしていることがだんだんわかって参りまして、数年ぐらい前からアジアで活躍するCBRの著名な方と、日本の地域福祉や地域活動を一緒に合わせてみるとどうなるかということで、そういったセミナーを開いて参りました。今日は福島南部で開くことができまして大変嬉しく思います。

今日はネットワークがテーマということで皆様には2つの出会いを楽しんでいただけたらと思います。一つはインドを中心とするアジアで行われているCBRの視点と、福島県の南部地域を中心とする地域での活動の出会いです。もう一つは福島県で行われている活動と名古屋を中心に「できることもちよりワークショップ」ということでネットワーク作りに貢献されて、いろいろなワークショップを開催されてきた草の根ささえあいプロジェクトの渡辺さんによる福島と名古屋の出会いがあります。ぜひ皆さん今日はお楽しみいただき、何か発見があったり、気づきを持ち帰っていただくことができましたら大変嬉しく思います。

それではさっそくですが、前半の講師でありますマヤ・トーマスさんをご紹介させていただきます。お配りしてあります資料の2ページ目、プログラムのマヤ・トーマスさんのところに詳しく書いてございますので、ゆっくりご覧いただきたいと思います。マヤ・トーマスさんはインドのバンガロールに住んでいらっしゃいます。「障害・CBR・インクルーシブ開発」というジャーナルの編集長をされています。障害、CBR、開発に関するフリーランスの国際コンサルタントとして、世界中を飛び回って活躍されています。国連の中でもCBRと言えばマヤさんというぐらい大変著名な方で、いつもリソースパーソンとして引っ張り出されることも多いです。ご専門はコミュニティーベースのアプローチということで、障害事業の強化・構築、障害事業に関するプランナー、管理者対象のトレーニングなど行って、アジア、アフリカ、ヨーロッパで25年以上のご経験をお持ちです。CBRガイドラインを完成させるコアグループの一人として大変重要な役割を果たされました。

本日はCBRの到達点と、CBID(Community Based Inclusive Development)成功のための様々な連携に関する考え方と実践ということでお話しいただきます。その中で、主にネットワークということですので、実際のタイトルはこちらにあります「コミュニティにおけるインクルーシブ開発のためのネットワーク作り」ということでお話しいただきたいと思います。