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CBRガイドライン・補足

序文

CBRガイドラインはすべての障害グループに適用できるものであるが、精神保健上の問題、HIV/エイズ、ハンセン病、人道的危機といった、CBRプログラムがこれまで見落としてきた分野を強調するための付録冊子の必要性が指摘された。これらの分野が見落とされてきたのには、さまざまな理由がある。元来CBRプログラムは、ポリオやその他の感染症など、当時最優先と考えられていた問題に焦点を当てていた。また理学療法士など、多くの専門家グループがCBRプログラムの実行に関わってきたことにより、身体的な障害に大きな焦点が当てられることとなった。しかし今日では焦点も関心事も変わっており、スティグマや差別が多くの分野で引き続き問題である中で、新しい問題についてどのようにプログラムの中で取り組むべきか知識や自信のないCBRマネージャーもいるだろう。

このCBRガイドラインも強調しているとおり、障害について多くが知られるようになり、過去30年にわたってCBRは飛躍的に進化した。CBRとは、例えば非差別や、開発のイニシアティブにすべての障害のある人を積極的に参加させるなどの国連障害者権利条約の原則を取り入れた、地域に根ざしたインクルーシブ開発の戦略である。したがって、CBRプログラムがこれまでに見落としてきた精神保健上の問題、HIV/エイズ、ハンセン病、人道上の危機といった分野についても、対策を講じていくことが重要である。この冊子には上記4分野が選択されたが、将来のCBRガイドラインでは取り入れられるかもしれないCBRと子ども、CBRと高齢化などそれぞれの地域に関係のあるより幅広い他の分野についても考察されるべきである。