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教育支援体制の整備のためのガイドライン(試案)

教員用

1.気付きと理解

児童生徒の出すサインに気付き,つまずきや困難などの状況を理解します。

(1)学級担任や教科担任としての気付きと理解

児童生徒一人一人に適切な教育的支援をしていくスタートとなるのは,児童生徒の出している様々なサインに対して「変だな?」「どうしてかな?」という担任の気付きです。そして,「変だな?」「どうしてかな?」と気付いたら,次に「いつ」「どこで」「どのような時」「どんな問題が起こるか」を観察し,問題となっているつまずきや困難などの様子を正確に把握することが大切です。

児童生徒の出しているサインの中には,「これはサインなのかな?」と思うようなものの場合もありますが,それを見逃してしまったために,適切な対応が遅れてしまうこともあります。場合によっては,問

担任の児童生徒のサインに対しての気付きは,次のような場面や機会にありますが,そのいくつかを例にあげてみます。

児童生徒の困っている状況からの気付きと理解の例

担任教師の学習や生活場面で子どもが困っている状況からの気付きです。

児童生徒の困っている状況からの気付きと理解の例の図

図の説明

指導上の困難からの気付きと理解の例

担任教師の指導上困っている場面や状況からの気付きです。

指導上の困難からの気付きと理解の例の図

図の説明

保護者相談での気付きと理解の例

担任教師の家庭訪問や教育相談における保護者からの情報による気付きです。

保護者相談での気付きと理解の例の図

図の説明

担任の気付きの記録をとっておくとともに,「担任としてどのような対応や支援をしたか」「児童生徒の反応はどうだったか」等も記録するようにします。この記録は,校内委員会で提示する資料づくり,個別の指導計画の立案・作成,保護者面接等の際に役立つ貴重な資料となるからです。

(2)学校体制としての気付きと理解

児童生徒のつまずきや困難の状況やその原因の理解,指導方針等が果たして正しいかどうか,不安もあるかと思います。特に原因の理解については正しくとらえないと,その後の指導も間違った方向で進めてしまう場合も起こります。学年会や校内委員会は,担任のそうした不安を取り除く場ですので大いに活用したいものです。そのためには,担任が率直に悩みを話せる雰囲気の学校であることが何よりも大切といえます。

学校体制としての気付きと理解の図

図の説明

2.個別の指導計画の活用

児童生徒一人一人の教育的ニーズに対応した個別の指導計画を立案・作成するとともに,それに基づく指導の結果を評価し,改善につなげていきます。

(1)個別の指導計画の立案・作成

気付きから手立てへ

気付きと理解の次は,特別な教育的支援を必要とする児童生徒一人一人に,具体的にどのように支援していくかを検討し,一人一人の教育的ニーズに応じた計画を立てます。それが個別の指導計画の立案です。個別の指導計画は,校内関係者との連携のもとに校内委員会で作成しますが,ここでの話合いで担任のもつ様々な情報が必要になります。したがって,担任の日々の記録が大切になります。個別の指導計画の立案・作成の具体例や様式例については,「3.支援の実際」及び資料5「個別の指導計画の様式例」(p93~104)を参照してください。

個別の指導計画の立案,作成は,主に次のような手順で行うことが考えられます。

情報の収集

担任が観察した様子,保護者や関係者の情報(少人数でのチームによるケース会議記録),個別に蓄積されたファイル等から,配慮や支援が必要な実態を把握します。例としては,「文字読みが苦手」「文字がうまく書けない」「集中が続かず他のことに気をとられてしまう」などです。

目標の設定

児童生徒にとっての具体的な目標を設定します。例えば「指示を理解する」「机上を整理する」「ワークシートの枠中に文字を書く」などが考えられます。ただし,目標は焦点を絞った方がよいでしょう。通常,目標の設定に当たっては,単元,学期,学年ごとなどに行うことが大切です。

手立ての工夫

目標に対する具体的な手立てを設定します。例えば,配慮としては,「保護者と1週間ごとに情報交換をする」「さりげなく応援してくれる友達を同じグループにする」「座席の位置を前にする」などです。支援としては,「全体への指示の後,その子に指示をして理解したかどうかチェックする」「1時間目の開始までに机上に学習の準備ができるよう特製のチェック表を導入する」「大きめのマス目のワークシートを用意する」などです。児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じて,目標,手立てや実施の方法,実施期間等を具体的に書きます。

(2)個別の指導計画の評価

設定された目標に沿って指導した結果,どのように変わったか等について,校内委員会で評価を行います。
個別の指導計画に基づく指導の結果として,本人の努力が認められた場合や目標を達成した場合はその子をほめてあげることも大切でしょう。また,状況が変わらない場合には,巡回相談員の活用も図りつつ,目標の設定や課題の内容,具体的な手立ての設定などを見直していくことが重要です。

引継ぎ

次の担任が児童生徒を理解しやすいように,一連の取組みの結果を個別の指導計画に記録しましょう。引継ぎは,個別の指導計画を渡すだけではなく,時間をとって話合いをもつことが望まれます。また,進学や転学等に際しては,適切な指導が一貫して行われるよう計画が引き継がれていくことが大切です。

※ 個別の指導計画については,第3部 特別支援教育コーディネーター用の「5.校内委員会での推進役(5)校内委員会での個別の指導計画の作成への参画」及び第5部 保護者用「3.学校との連携(4)個別の教育支援計画と個別の指導計画」も参考にしてください。

3.支援の実際(学級担任や教科担任としての配慮や支援)

ここでは,学級担任や教科担任としての具体的な配慮や支援の例を紹介します。

(1)基本的な配慮

  • 児童生徒の苦手な面を責めるのではなく,得意な面や努力している面を見つけて,ほめたり,クラスでさりげなく紹介したり,あるいは,単元全体の中のどこかに活躍できる場面を意図的に取り込んで発表の機会をつくったりして,自信をもたせるようにしましょう。
  • 児童生徒の学習面での苦手なことや偏りについて理解しましょう。苦手なことをたくさん要求したり,みんなと同じ水準を要求したりするのではなく,一人一人の違いを大切にし,努力や達成を認め,励ましていくようにしましょう。
  • 児童生徒が安心して学習や活動に参加できるようにグループ編成や座席の位置などを工夫したり,仲間との遊びに入れるように担任から働きかけたりして,友達との関係がよい方向に広がるようにしましょう。なお,特別な配慮を必要とする児童生徒を意識しすぎるばかりに,差別感や孤立感等をもたせたり,他の子に不公平感を抱かせたりしないよう十分留意しましょう。
  • クラスの児童生徒に対し,LD,ADHD,高機能自閉症について話題にする時は,児童生徒の発達段階等を踏まえ,適切な配慮が必要となります。
  • 保護者とのこまめで前向きな情報交換を心がけましょう。小学校低学年などでは普段から連絡帳や電話で連絡を取り合ったり,必要によって話合いをしたりする機会を設けましょう。
  • 学級経営案の中に特別支援教育による支援の視点を位置付けましょう。

(2)具体的な支援

学習面での支援

【指示の伝え方】 例えば,クラス全体には,注目させてから短かくポイントを絞って指示をし,そのポイントを板書します。聞き取りが苦手な児童生徒には,クラス全体への指示の後,個別にもう一度指示を伝えます。さらに,伝えたことを理解したかどうか復唱させたり,行動を見たりしてチェックします。

【課題の出し方】 例えば,書くことの苦手な児童生徒への対応としては,学習プリントやワークシートは,本人と相談の上一定の大きさのマス目のあるものを用意します。消しゴムで消したときに破れにくい紙を渡します。また,言葉だけではイメージがつかみにくい児童生徒への対応として,図や絵や写真など,言葉以外に視覚的な手がかりを提示します。読むことの苦手な児童生徒への対応としては,教科書の漢字にふりがなをふるようにします。文字の位置を指で押さえながら読んだり,読んでいる行だけが見えるカバーシートを使ったりします。また,文字を拡大したり,分かち書きしたりしたプリントを用意します。これらのことは,家庭と連携して行うことが考えられるでしょう。

【事前の打合せ】 学年でのティームティーチングや少人数学習等を生かした支援を設定しましょう。その際には,授業前に,担任とティームティーチングや少人数担当教員が支援を必要とする児童生徒の対応について必要な打合せをすることが大切です。

行動面での支援

【見通しをもたせる】 教室でのルール,決まりごと,スケジュール等は視覚的に分かりやすく掲示し,児童生徒が目で見て確認できるようにしましょう。また,一日の予定は朝の会などで児童生徒に説明し,もし変更があればできるだけ早く知らせましょう。落ち着きがなくじっと座っていることができない,整理整頓ができない,次の学習の用意ができないといった場合(特に小学校低学年)は,次の手立てが有効な場合があります。なお,実施の際は,児童生徒の実態に合わせて方法を工夫することが大切です。

改善したい行動例 集中が続かず座る姿勢が崩れがち 机上の学習の用意や整理が困難
目標の設定の例
○意識をもたせるようにします
要因として,注意集中が続かない,姿勢保持が困難などが考えられます。
正しい座り方について本人と話し合い,姿勢よく座ることを目標にすることと取組の方法について確認し合います。
何度も叱ったり注意をしたりしないようにします。
本人とゆっくり話し合い,学習の前に机上の整理を目標にすることと取組の方法について確認し合います。
手立ての工夫の例
○見通しをもたせるようにします。
特に焦点をあてたい時間を決めて,最初から長時間姿勢よく座ることをねらわず,短時間から始めます。
毎回,チェックすることを伝え,伝えた瞬間に姿勢を直してもプラスの評価をします。
結果はその都度本人に知らせ,できたときはていねいにほめます。
チェック表を作成し,数日は担任が本人と一緒につけます。
評価は,最も焦点をあてたい時間に絞ります。数日間実施後,様子を見て本人チェックにします。
焦点をあてる時間を増やし,最終的に,チェックリストなしで行動できるようにします。
目標の行動ができたかどうかのチェックとフォローアップの例
○自信をもたせるようにします。

本人が視覚的にチェックできるシートを用意します。努力したときや達成したときは,チャンスを逃さずほめるようにします。
また,本人が継続して実施できるようにします。

・ クラス全体でソーシャルスキルを学習しましょう。例えば,下記のように望ましい行動について絵カードやロールプレイ等で学習し,実際の場面で活用する方法が考えられます。また,高機能自閉症の児童生徒には,対人関係上の困難さが予想される場面の対処について,一定のルールとして事前に説明しておくと効果がある場合があります。

グループで双六ゲームをしている絵をみる(負けそうな子が駒を投げて止めようとしている) → 絵の感想を話し合う
(負けるから止めると言ったら楽しくない。負けることは誰にでもある等) → 実際に遊ぶ(負けても最後まで一緒に遊ぶ)

4.支援の実際(担任の配慮や支援を支える仕組み)

ここでは,担任の配慮や支援を支える具体的な仕組みの例を紹介します。

(1)校内の様々なリソースを活用した支援

校内委員会との連携

支援を要する児童生徒への対応は学校全体としての取組が大変重要です。担任だけの支援では限界があります。そこで,支援を要する児童生徒への対応について,コーディネーターの協力を得ながら学年で話し合うとともに,校内委員会に報告し,担任を中心としたチームで検討するようにしましょう。

通級指導教室や特殊学級の活用

地域の学校に通級指導教室や特殊学級がある場合は,教育相談を実施したり,障害のある児童生徒への専門的な検査や指導等を実施したりしていることがあります。保護者や学校と検討し,そのようなサービスを活用するかどうか話し合っていきます。

オープン教室の設置と活用

学校でオープン教室を設置して,その活用を工夫することで成果を上げているところがあります。例えば,通常の学級での一斉授業では,なかなかできにくい個別の対応が必要な児童生徒がいる場合,放課後に指導教員と一緒に学習をするという方法です。そこでは,視覚的に分かりやすい学習環境を用意し,興味に合わせた学習ができるようにしたり,刺激の少ない学習用の区画をつくったり,パソコンを活用したりするなどの方法が考えられます。なお,ここでの指導者としては,通級指導教室や特殊学級の担当教員,各学級や各教科の担任教員等が考えられます。

(2)学校外と連携した支援

専門家チームや巡回相談員との相談

校内委員会を通して,専門家チームのメンバーや巡回相談員と,支援の在り方や個別の指導計画の作成について話し合うことが考えられます。

医療との連携

ADHD等の診断は,学校での児童生徒の観察や担任のチェックが大変重要な判断材料になります。気になる行動やその変化等はできる限りメモや記録をつけるようにします。また,医師の診断により,児童生徒が各種の薬を飲む場合の薬効評価は,家庭ではなかなかできません。薬を飲んだ時間を把握し,児童生徒が薬を飲んだ時と飲んでいない時の様子を保護者を通して医師に伝えることが望まれます。

保健や福祉の関係機関との連携

児童生徒や家庭の状況によっては,コーディネーターと情報交換しつつ,保健や福祉の関係機関との連携が必要な場合があります。関係機関との連携を進めていくことが大切となります。

盲・聾・養護学校との連携

盲・聾・養護学校が地域のセンター的機能を発揮することが期待されていることから,最近では,小・中学校に向けて教育相談を積極的に実施したり,小・中学校等において校内研修を実施する際には様々な協力や支援を行ったりする学校が増えてきています。盲・聾・養護学校の教育機能や相談機能の活用も検討することが大切です。

5.保護者との連携

保護者との情報交換を通してニーズを把握するとともに,支援の方法等について保護者に説明し理解を得ます。

(1)保護者との情報交換

保護者との信頼関係

担任は,担当した学級のすべての児童生徒に適切な指導をしなければなりません。支援を必要とする児童生徒に気付いたら,保護者との情報交換を心がけます。その大前提になるのが,保護者との信頼関係です。保護者の気持ちを受容,共感して受け止めることを心がけて話し合いましょう。その際,コーディネーターとの連携協力のもとに行うことが大切です。

保護者のニーズの把握

保護者は,その児童生徒を育ててきた最も身近な理解者であり,我が子の学習面や行動面での困難さもいち早く感じ取っています。学習面,行動面,対人関係等についての保護者のニーズを聞き取っていきましょう。

関連情報の把握

児童生徒の困難な要因を考えて手立てを提案していくためには,以下の情報を把握しておくことが考えられます。
家庭の様子,生育歴(言語,社会性,運動等),医療機関の受診歴,就学前の様子や小学校での状況等これらの情報を保護者の理解を得て収集し,共に検討していきます。

まずできることから取り組む

コーディネーターの協力を得つつ,早急に担任ができる効果的な教育の在り方を具体的に検討し,まずできることから取り組んでみましょう。効果が確認できたら,また次の手立てを考えることができます。

(2)保護者を含むチームでの話合い

チームとしての対応

指導が困難な場合の多くは,担任一人では解決の方策が見つけにくいことにあります。そのような場合は,いち早く様々な方法が検討されるように,校内委員会等で話合いをもちます。担任,コーディネーター,保護者,児童生徒にかかわる人々がチームとして援助することが重要です。同学年の担任,校内委員会,巡回相談員の活用等,段階に応じてチームでの検討が考えられます。なお,個別の教育支援計画の作成に当たっては,保護者の参画を促すことが大切です。

チームでの会議の実施

会議の実施に当たっては,コーディネーターと連携協力し,次のことを行うことが考えられます。

  • 会議の参加者の決定
  • 会議の時間,進め方,記録の仕方の決定
  • 会議のまとめと個別の教育支援計画や個別の指導計画への反映

(3)保護者への説明

個別の指導計画についての説明

児童生徒の教育的ニーズに応じた適切な教育的支援を行うには,より正確な児童生徒の状態の把握が重要となります。その際,情報の収集や実態把握を行うことが考えられます。担任は,得られた情報も参考にし,必要に応じて校内・校外の関係者にも提供した上で,個別の指導計画を立てることについて,保護者に説明し理解を得ておくことが大切です。

就学前情報の必要性及び引継の説明

就学した直後に教育的支援の必要性があると考えられた場合には,就学前の情報が役立ちます。保護者等から必要な情報を得て,個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成と支援に生かすことも大切です。また,転学や進学の際には同様の配慮を行う必要があるでしょう。

個人情報の適切な取扱い

児童生徒の個人情報の管理に際しては,個人のプライバシーが損なわれないよう適切な取扱いに注意します。

6.通級指導教室及び特殊学級の担当者の役割

ここでは,校内に通級指導教室や特殊学級が設置されている場合,その担当者が校内でどのような役割があるかを述べています。また,担当者が特別支援教育コーディネーターに指名されている場合は,第3部の「特別支援教育コーディネーター用」を参考にしてください。

(1)児童生徒を支援する校内リソースの担当者としての役割

担任からの相談への対応

担任からの相談の場合,まず話を聞くようにします。できるだけ偏りなく情報を聞き取り,一緒に状況を整理していきます。その際,一方的な情報収集に偏らないよう留意します。

相談内容から状況がつかめ助言をする場合,その担任の理解の範囲を見極めながら担任の実行できる内容を助言していきます。

障害児教育の担当者としての児童生徒の理解と解釈を求められた時は,多角的に考えられる児童生徒像として,総合的な解釈になるよう心がけます。組織的な援助やかかわりを視野に入れて説明していくことが望まれます。

学年会での支援の在り方の検討

担当者としての専門性を生かして,情報収集と問題の発見に協力します。学年会での情報交換の中から状態の把握が必要とされた児童生徒について,集会時や学校行事などでの行動観察や,学習や行動の特徴から総合的に考えて実態把握していきます。学年会等では,その児童生徒の緊急課題の見極めや言動についての解釈,支援の仕方や具体的な配慮の仕方,教材の提供等について助言したり,学年としての共通理解について話し合ったりしていきます。

児童生徒へ直接支援をする場合の留意点

通常の学級における活動の中で支援する場合は,あくまでも担任の指導内容やねらいに沿えるように事前に話合いをもちます。実際の指導場面では,周囲の児童生徒の動向に注目しながらも,支援する児童生徒へ個別にかかわり過ぎることで,逆に差別感や孤立感,羞恥心などが生まれないよう十分配慮します。

選択教科,総合的な学習の時間などの指導の場合も同様です。学校行事や学年行事等では,組織の中の一員としての動きをしつつ,担任の連携のもとに,さりげなく支援していきます。

(2)担任からの依頼で行う個別指導や少人数指導

  • 個別の支援を行う場合,まず本人の意見をよく聞き,支援してほしいことを把握して指導内容を考えていきます。
  • 少人数での支援を行う場合,指導のねらいとして集団で学習する方法を学ばせる,ソーシャルスキルを養う,友達とのかかわり方を学ばせるなど,ねらいを明確にしながら指導に当たります。さらに,精神的な支えとなるよう居場所づくりや相談相手として支えていくことも重要なことです。
  • 担任との連携については,「4.支援の実際(1)校内の様々なリソースを活用した支援」を参照してください。

(3)校内委員会への協力と専門的な知識の活用

  • 児童生徒について知り得ている情報を校内委員会へ提供していきます。
  • 校内委員会で個別の指導計画の作成をする場合,できれば話合いに参加して,担当者として援助できることや役割を明確にしていくことが望まれます。
  • 校内委員会での話合いの中ではなるべく専門用語を使用しないで児童生徒の状況を説明するようにします。教室での具体的な支援の方法や具体的な教材,教具について示したり,アイディアを提供したりするなど,専門的な知識を活用していきます。

(4)保護者への支援(教育相談等)

  • 担任から依頼があって保護者の相談を行う場合,あらかじめ担任から情報を得ておくとよいでしょう。1回の面談で完結しようとせずに,担任とも相談しながら面談を継続して支援していきます。保護者によっては,安心して話せるようになり,子育てへの見通しがもてたら,具体的な指導や助言をしていきます。
  • 担任とともに保護者を支援する場合には,担任への支援も視野に入れ,補助的な立場で支援していきます。要望があれば専門機関についての情報も提供します。

(5)コーディネーターとの連携

校内の特別支援教育コーディネーターとは,できれば定期的な情報交換を行うことが望ましいでしょう。しかし,不定期でも情報交換しあって校内事情の把握に努めます。コーディネーターから援助の依頼を受けた場合も,校内におけるコーディネーターとの役割分担を明確にし,効果的な支援体制が構築できるよう協力していきます。