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府中市障害者福祉基本計画

-障害者にやさしいまちづくり-

1995(平成7)年3月

広島県府中市

府中市における障害者の現状

1.手帳の交付数

 1994(平成6)年4月1日現在の広島県身体障害者統計表による府中市の身体障害者手帳交付数と、府中市福祉事務所台帳による療育手帳交付数は、次のとおりである。

①身体障害児・者

  ・年齢構成別身体障害児・者
円グラフ 年齢構成別身体障害児・者
 総数1,943人(男性1,081人、女性862人)のうち18歳未満の障害児は34人、65歳以上の高齢者は1,096人と高齢になるほど障害者が多くなっている、


  ・男女別障害の等級

棒グラフ 男女別障害の等級
 1、2級の重度障害をもつ人が男性で359人、女性325人と、全体の35.2%にのぽっており、障害者全体の男女の割合は男性55.6%、女性44.4%になっている。


  ・障害種別の男女構成

棒グラフ 障害種別の男女構成
 肢体不自由者が男性586人、女性440人、計1,026人と全体の52.8%を占めており、つづいて聴覚、視覚、内部障害の順となっている。

②知的障害児・者

  ・年齢構成別知的障害児・者

円グラフ 年齢構成別知的障害児・者
 総数237人(男性108人、女性129人)のうち、18歳未満の知的障害児は36人、65歳以上の高齢者は16人となっている。


  ・男女別の障害程度

棒グラフ 男女別の障害程度
(A)の最重度が23人、Aの重度が最も多くて100人と、合わせて51.9%になっている。

2.府中市障害者ニーズ調査の結果について

① 調査の目的
府中市障害者福祉基本計画策定にあたり、障害者の実情とニーズを把握し基礎資料とし、この計画が基本理念の実現に役立つものにする。
② 調査方法
市内在住の身体障害者手帳及び療育手帳所持者全員と、精神障害者家族会加入者を対象に生活実態、福祉・保健サービスに対するニーズや意織について同一のアンケート票を送付し、無記名回答での調査を行った。
  ③ 実施期間
1994年8月1日から8月20日
  ④ 回収状況
あて所不明や転出で返送されたもの、死亡や市外の施設の入所中のものがかなりの数にのぼったが、それらを差し引いた送付総数は1,815通、回収総数1,250通、回収率は68.87%で、内訳は別表のとおりである。

調査票の回収結果

送付総数 1,815人
回収総数 1,250人
回収率 68.87%
回収の部位別内訳
障害の部位(主なもの) 男性(人) 女性(人) 計(人) 率(%)
視覚 53 68 121 9.7
聴覚・平衡 67 69 136 10.9
音声・言語・そしゃく 23 32 2.5
肢体不自由 287 247 534 42.7
心臓 52 49 101 8.1
腎臓 17 18 35 2.8
呼吸器 17 20 1.6
直腸・ぼうこう・小腸 17 26 2.1
知的障害 89 77 166 13.3
精神障害 31 15 46 3.7
無記入 42 41 83 6.6
重複記入 △21 △29 △50 △4.0
674 576 1,250 100.0
(うち65才以上) (307) (305) (612) (49%)
家族構成
男性 女性
(人) (%) (人) (%) (人) (%)
1人暮らし 59 4.9 67 5.6 126 10.5
2人暮らし 224 18.6 132 11.0 356 29.6
3人暮らし 98 8.1 86 7.2 184 15.3
4人以上 325 27.0 211 17.6 536 44.6

 障害者の10人に1人は1人暮らしで、4割の人が1人か2人暮らしという結果が出ている。
 1987年の調査では、1人暮らしが7.7%だったのが7年間で2.8ポイトも増えている。
 また、1人か2人暮らしというのも28%から40.1%へと12.1ポイントも激増している。
 障害の重複や障害者の高齢化、同居の親や配偶者の高齢化に伴い介助や外出など日常生活を営むうえでの援助、在宅福祉の充実が急がれる。
 なお、6.1%の人は現在入院中である。



◎日常生活について

1.ご近所とのおつき合いはどうですか。

 1人、2人暮らしの比率が年々高くなっており、緊急時はもとより日常的にとなり近所との連けいが必要で、会話やつき合いを深めて協力体制、生きがいの高揚に努めることが大切ではなかろうか。

親しくしている 65.4%
親しくしている人があまりいない 25.2%
親しくしている人がまったくいない 9.4%

2.障害を受けた原因
円グラフ 障害を受けた原因
全体の半数以上が疾病が原因で障害を受けている。脳血管障害などによる肢体障害が年々増加の傾向にあり、中年層からの健康管理が望まれる。
また、妊婦や幼児期の健康管理、育児相談、早期検診等の充実が必要と思われる。


3.自分の気持ちや、してほしいことを他の人に伝えることができますか。

できる 88.8%
できない 11.2%


4.気軽に相談する人がいますか。

いる 87.2%
いない 12.8%

 自分の意思を相手に伝えたり、悩みごとなどを相談する人が身近にいるということは障害を持つ人にとって極めて重要なことである。
 それができない人が十数%いるという現実を重視し、身体障害者相談員・精神薄弱者相談員、民生児童委員をはじめ行政職員、ヘルパーなどは、より一層きめ細かな対応が必要と思われる。


5.あなたの援助をする方がおられますか。

いる 94.8%
いない 5.2%

 重度障害や高齢の方で援助者がいない場合、緊急時に対応できるような施策が必要と思われる。




6.あなたの主な援助者は誰ですか。
円グラフ 主な援助者
 約3割の障害者が2人暮らしであり、主な援助者の63%強が配偶者か親という結果が出ている。
 将来、援助者の高齢化に向けた施策が重要であると思われる。



 多くの障害者が、日常生活を営むうえで最も望んでいることは、円滑な社会参加であり自立であろうと思われる。
 そのためには、障害の程度や部位、能力に応じて就労、健康管理、人的・経済的援助等の施策を推進するとともに、障害者同士の仲間づくり、サークル活動、障害をもたない人たちとの交流、各種スポーツ・文化活動等を通して生きがいの高揚を図っていくことが必要であると思われる。

◎仕事の状況について

1.あなたは現在、仕事をされていますか。

A している  31.6% 男性 19.3%
女性 12.3%
B していない  68.4% 男性 30.7%
女性 37.7%

 A 仕事の内容
棒グラフ 仕事の内容
 その他のうち半数は農業に従事をしているが、分類上自営業の中にもかなりの率で農業従事者が入っているものと思われる。


 B 仕事をしていない理由
円グラフ 仕事をしていない理由
 約1割の人は働く意思はあっても働けないという現状がある。
 障害者雇用促進の指導強化や就労の場の整備が急務であると思われる。



2.あなたは今後どのような仕事がしたいですか。
棒グラフ 今後どのような仕事がしたいか
 現在している仕事としたい仕事が合致している人が多いと思われる。
ボランティアなど奉仕的な仕事に生きがいをみつけたい人もあったのが心強い。
作業所の整備も早急に進める必要がある。
◎行政に対する要望等について

1.福祉サービス情報をどこから得ることが多いですか。(3つ以内で)
円グラフ 福祉サービス情報をどこから得ることが多いか
 全戸配布の「広報ふちゅう」がトップなのは当然だが、4割以上の人が行政職員や社会福祉協議会から情報を得ているという点に、責任の重大さを感じる。
 視覚障害や寝たきりの人のために「声の広報」を検討する時期にきていると思われる。



2.医療についてどのような要望がありますか。(3つ以内で)
円グラフ 医療についてどのような要望があるか
 障害の原因は、50%以上が疾病という結果のとおり早期に診断を受けておれば、という気持ちの表れであろうか、健康診断の充実を望む声が多い。
 また、老人医療を適用されるまでの若年者は医療費が負担になっていることがわかる。
 訪問指導やリハビリ、歯科診療などの施策推進が課題である。



3.福祉サービスについてどのような要望がありますか。(3つ以内で)
棒グラフ 福祉サービスについてどのような要望があるか
 ホームヘルパーなど在宅援助体制や入所施設の充実が高い比率で求められているほか、生きがいや自立のための施設整備の要望が強い。
 特に、昼間でかけていく場やスポーツ、レクリェーション、文化活動の充実など、早急に取り組むべき課題である。



4.保育や教育についてどのような要望がありますか。(3つ以内で)
円グラフ 保育や教育についてどのような要望があるか
 障害児一人ひとりが障害に応じた教育、保育を受けられるよう、また障害を持たない子とともに学び、遊ぶという方法が望まれている。
 また、ノーマライゼーションの基礎となる障害者に対しての正しい意識理解を深める教育人権学習の重要性を認識しなけれぱならない。



5.生活環境についてどのような要望がありますか。(3つ以内で)
棒グラフ 生活環境についてどのような要望があるか
 障害者の社会進出や自立のためには公共施設、交通機関等の環境整備が不可欠である。
 福祉環境整備基準をクリアーするよう指導・広報を強化し、やさしいまちづくりを推進する必要がある。

介助が必要な人の状況

1人でできる 一部介助が必要 全部介助が必要
男性
(人)

(人)
(率)
 %
男性
(人)

(人)
(率)
 %
男性
(人)

(人)
(率)
 %
男性
(人)

(人)
(率)
 %
居宅での移動等 495 368 863 80.3 56 66 122 11.3 41 49 90 8.4 592 483 1,075 (175)
食事 555 432 987 87.5 38 96 96 8.5 24 21 45 4.0 617 511 1,128 (122)
トイレ 540 420 960 84.2 46 93 93 8.2 38 49 87 7.6 624 516 1,140 (110)
入浴 486 380 866 75.8 80 145 145 12.7 58 74 132 11.5 624 519 1,143 (107)
衣服の着脱 492 378 870 77.0 80 156 156 13.8 48 56 104 9.2 620 510 1,130 (120)
外出 460 295 755 65.9 97 224 224 19.6 72 94 166 14.5 629 516 1,145 (105)
平均(%) 44.8 33.6 78.4 5.9 12.4 12.4 4.1 5.1 9.2
介助が必要な人の割合 21.6%       
うち男性 10.0%(46.3%)
女性 11.6%(53.7%)

 日常生活を営むうえで、何らかの介助を必要とする障害者は21.6%で、特に外出する時は3人に1人が介助を必要としている。障害者の社会参加のための施策が急務である。

障害別年齢区分
障害名
年齢区分
視覚 聴覚・平衡 音声・言語 肢体不自由 内部 知的 精神
備考
1~ 9 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 1 2 0 1 1 3 2 5 0 0 0 4 5 9
10~19 2 1 3 1 1 2 0 0 0 6 9 15 0 1 1 15 6 21 1 0 1 25 18 43
20~29 2 2 4 2 1 3 2 0 2 7 8 15 0 3 3 13 8 21 1 2 3 27 24 51
30~39 1 1 2 1 2 3 2 0 2 12 7 19 2 4 6 13 14 27 3 3 6 34 31 65
40~49 3 2 5 7 3 10 3 3 6 21 17 38 9 4 13 26 23 49 8 1 9 77 53 130
50~59 11 11 22 6 4 10 2 0 2 40 41 81 10 11 21 11 13 24 5 0 5 85 80 165
60~69 11 17 28 15 11 26 7 1 8 97 60 157 46 22 68 3 7 10 10 4 14 189 122 311
70~79 15 15 30 19 24 43 6 3 9 66 59 125 30 27 57 5 4 9 1 1 2 142 133 275
80~89 6 17 23 13 17 30 1 1 2 34 37 71 6 4 10 0 0 0 2 3 5 62 79 141
90 以上 2 2 4 3 5 8 0 1 1 3 8 11 0 2 2 0 0 0 0 1 1 8 19 27
53 68 121 67 69 136 23 9 32 287 247 534 103 79 182 89 77 166 31 15 46 653 564 1,217 無記入83人
重複記載50人

主題:
府中市障害者福祉基本計画

発行者:
府中市

発行年月:
1995(平成7)年3月

文献に関する問い合わせ先:
広島県府中市府川町315
府中市市民生活部 福祉事務所
TEL (0847)43-7148